オンライン・システム・ニュースレター No.5 (1987.02.27)


オンラインシステムC&R
 (特集:「目録情報の基準」の運用について)


 目録システムのサービス運用を開始して以来、2年近くが経過し、接続館の増加と ともにシステム利用も増加しつつあります。この間接続館からはオンラインシステム C&R等を通して「目録情報の基準」(以下「基準」という)に関する数多くの質問、 意見を寄せていただき、問題点の指摘もしていただきました。
 これらについては、できる限り対応をとるようセンター内部で努力しておりますが、 今回、「基準」に関する質問、意見について検討した結果をお知らせします。寄せ られた意見等は多岐にわたるものですが、学術情報センターの昭和6l年度総合目録委員会 及びその小委員会で検討中のもののうち、結論を得たものについて早急にお知らせする こととしました。
 なお、「基準」の変更部分は、追って「目録システム利用マニュアル〜データベース 編」を改訂します。

 

1. 記述対象のとらえ方

(l) 書誌単位

質問l. 書誌単位について、基準(4.2.1)と解説(4.1)とは矛盾するのではないか。

(回答)
 表現の不統一がみられますので、以下のような修正を施します。なお、これに関連 し、解説p.82「4.2「固有の標題」でないもの」のリストにあるもののうち、著者等が独 自で一つの書誌単位としてみることが妥当と思われるケースを明確にするための追加 説明を加えます。

    ア 解説p.79「4.l書誌単位の基準」3行目の記述を、「基準」p.32「4.2.l書誌単位」 2行目に合わせて修正します。

     書誌単位は「固有の標題」を持った単位とする
             ↓
     書誌単位は、固有の標題、著者等によって書誌的に他と区別できる単位とする

    イ 解説p.82「4.2「固有の標題」でないもの」の2行目に統けて以下の文章を挿入 します。
    「ただし、B、Cにリストされたもののうち、各巻が別個の著書等を有する場合は それを固有の標題として位置付けることができる。例7bを参照。」

    ウ 解説p.83の「4.3シリーズとセット」の前に、次の例を挿入します。
例7b
 ┌──────────────┐  ┌──────────────┐
 │<>                │  │<>                │
 │TR: アイスランド/谷口幸男訳 │  │TR: ウクライナ/関楠生訳   │
 │PTBL: 世界の民話<>         │  │PTBL: 世界の民話<>       │
 │AL: 谷口,幸男<>           │  │AL: 関,楠生<>          │
 └──────────────┘  └──────────────┘
 

(2) 書誌レコードの作成単位         

質問2. 机上版、縮刷版、愛蔵版、普及版などは、それぞれ別のレコードとするか。
質問3. 出版を目的とせず電子複写により、複製された資料は別の書誌レコードとする か。

(回答)
 書誌レコードの作成単位については、「基準」4.2.3で規定されていますが、同規 定(2)の、(3)項を補足する意味で、「書誌の同定」及び「複製の取り扱い」に関する判断基準を設けます。

〇 書誌の同定について
 著者、書名、出版者、出版年が同じであれぱ、形態や装丁の違い、あるいは出版地 の表示順序の違いにかかわらず、同一書誌として扱う。ただし、

    ア 標題紙、表紙、奥付などに別の版であることが、はっきりと表示されていれば 別書誌として扱う。版の表示はEDフィールドに記録する。
     (例)机上版、縮刷版、愛蔵版、fine paper editionなど。
      注. Paperback editionは版の表示があっても、出版事項、数量、シリーズ表
        示が相違しない限り、LCの慣行に準じ別書誌とはしない。

    イ 図番の高さが2cm以上違う場合は、別書誌として扱う。

〇 複製の扱い
 (ここで扱う複製とは電子複写、写真複写といった方法で作成された資料を指し、   出版者が使用している再刷の意味でのリプリント版は含まないものとする。)
 複製は、原本とは別書誌とする。(「基準」4.2.3(3))
 複製の種類ことに別書誌とする。(「基準」4.2.3(4))

  1. 1. 同一資料から同一方法で作成された複製同士については、
    ア 同一出版者により作成されたもの同士は、同一書誌とする。
    イ 出版を目的として作成されたものと、私的に作成されたものとは、別書誌とす る。
    ウ 私的に作成されたもの同士は、同一書誌とする。
    エ 稀覯本もしくはl800年以前の洋書の複製は原本ことに別書誌とする。

    2. 記述の情報源
    ア 出版を目的として作成された場合は、複製用の新しい標題紙があれば、これに  よる。 新しい標題紙がなけれぱ、原本の標題紙による。
    イ 私的に作成された場合は、原本の標題紙による。

    3. 複製の種類の表示
    ア 複製の種類の表示は、版扱いとし、EDフィールドに記録する。
    イ 私的に作成されたことを示すには、[私家複製版](和)、または、[Private reproduction](洋)と記録する。

    4. 数量

    ア 出版を目的として作成された場合は、複製の数量を記録する。
    イ 私的に作成された場合には、原本の数量を記録し、不明の場合は記録しない。

質問4. 複数出版地から出版され、図書により標題紙の第一出版地が異なるものは、別 の書誌とするか。

(回答)
 出版地の表示順序の違いによって、別の書誌を作成することはしません。
 (例)
  次のような場合は同一書誌とみなします。
  Berlin;New York:Springer Verlag,1987
  New York;Berlin:Springer Verlag,1987

 

2. 集合書誌単位

 集合書誌単位のレコードには当該書誌単位に関する情報を記述します。
 集合書誌単位の記述の情報源は初巻とします。初巻がない場合は入手できたものの 最初の巻によります。
 目録規則類には集合書誌単位という観点による独立した条項が設けられていません。 必要に応じ関連条項を適用あるいは準用することになります。
 データの記述レベルとしてば、必須2(MA)から選択(OD)に変更になるものが あります(質問7,9の回答参照)。

質問5. 同一シリーズと思われるが、個々のタイトルページによりシリーズ名が微妙に 異なる場合、別書誌とするか。別書誌としない場合、どの程度まで同一とするか。T Rのとり方の基準はどうするか。

(回答)
 本標題の変更がなけれぱ別書誌とはしません。どのような場合に変更とみなすか は、目録規則の本タイトルの変更の定義を適用します。ささいな変更はNOTE及び VTに記録します。また子書誌のNOTEにも記録します。
 (例)
  次のようなシリーズば、それぞれ別の集合書誌単位とします。
  NAT0 advanced study institute series.
  NAT0 advanced science institute series.
  NAT0 AS1 series.

<参考> AACR2.日本語版、p.3l5

 ┌────────────────────────────────────┐
 │21.2. 本タイトルの変更                         │
 │21.2A. 定義                               │
 │ 本タイトルは、次の場合に変更があったものとみなす。          │
 │ l) 着頭の5語(冒頭の主格形の冠詞は除く)                │
 │ 2) 主要な語(名詞、固有名もしくは固有名を表わすイニシャル、形容詞など)│
 │   に付加、削除もしくほ変更(綴りの変更を含む)があったとき。     │
 │ 3)語順に変更があったとき。                      │
 │ 句読点や大文字使用法を含むその他の変更は、すべて本タイトルの変更とし │
 │ ない。このようなささいな変更は、注記エリアに記録する。        │
 └────────────────────────────────────┘

質問6. 親書誌でも「各版ごとに別のレコードを作成する」のか。特にシリーズ物の場  合、版はどのようにとらえるか。すべての子書誌の版が変わった場合か、一冊でも変 わった場合か。

(回答)
 単行書誌単位の版表示には関係なく、集合書誌単位に対して版表示があれば、別書 誌とします。

質問7. 集合書誌単位の責任表示の記述と著者名リンクの選定の際の基準は単行書誌の TRと同じか。

(回答)  集合書誌も単行書誌と同様にTRの記述に際しては、目録規則の「書名・責任表示」 および「基準」の条項を適用します。「業書名に関する事項」(NCR)、「シリーズエリ ア」(AACR2)を適用するわけではありません。
 なお、終期を予定しない集合書誌単位については、目録規則の「逐次刊行物」に関 する規定を適用します。
 集合書誌単位の責任表示には、逐次刊行物の個人編者も含まれるので、責任表示の 入力レベルは選択(OD)とします。
 著者名リンクの選定は「基準」6.2.1(l)により、AACR2では21章「アクセス・ ポイントの選定」を、NCR新版では3.l「標目の範囲」、3.2「標目の選び方」をそ れぞれ適用します。

質問8. 集合書誌単位の場合、出版地、出版者が異なる場合の出版事項ばどう書くか。

(回答)
 同一内容の出版物でも、異なる出版者から並行して刊行されている場合は別書誌と します。
 ある時点から別の出版者に引き継がれている場合は、別書誌とはしません。 同一出版者の出版地の相違は、別書誌とはしません。
 別書誌としない場合は、PUBには初巻の出版地、出版者を記録します。初巻がな い場合は入手できたものの最初の巻によります。他の巻の異なる出版地、出版者を記 録するときは、NOTEに記入します。
 なお、集合書誌単位の出版者は、同定識別に必要なため、入力レベルをMA(必須 2)に変更します。

質問9. 子書誌の出版国がそれぞれ異なる場合、集合書誌単位のCNTRYコードはど うするか。

(回答)
 集合書誌単位のCNTRYコードは、初巻の出版国コードを記録します。初巻がな い場合は、入手できたものの最初の巻によります。入力レベルは選択(OD)としま す。

 

3. コード類について

質問l0. 識別の要素ではないコード類の、総合目録データベースでの意義は何か。

(回答)
各コード類の主な意義は以下の通りです。
  YEAR: 出版年による検索のため
  CNTRY: 出版国による検索のため
  TXTL: 本文の言語による検索のため
  TTLL: 配列、およびキーワード切り出しの際の不要語を排除するため、
      及び標題の言語による検索のため
  ORGL,REPRO: 将来の検索のため設定しましたが、図書については
      入力の手間に比べて効果が少ないので入力レベルは不使用(NU)とし
      ます。

質問11. 和書で、「F0RTRAN」「The KARATE」などのTTLLは何か。

(回答)
 TTLLの主な意義は、配列、およびキーワード切り出しの際の不要語を排除する ことにあります。言語コードを決める際には、そのことを考慮し文法的な判断をする ことが必要です。この例では、「F0RTRAN」はjpn,engのいずれでもよく、「The KART E」はTheを不要語として省く必要があるので、engとします。

質問12. 出版地が複数で出版国が異なる場合のCNTRYは何か。

(回答)
 書誌データのPUB(出版事項)で最初に記述した出版地の国名コードを記録しま す。集合書誌単位の場合は、初巻のCNTRYコードを記録します。初巻がない場合 は、入手できたものの最初の巻のコードを記録します。ただし、集合書誌単位での入 力レベルは選択(OD)とします。

質間l3. TXTLはどこまで入れるか。

(回答)
 対訳物など多言語によるものは、6カ国語まで入れます(LCの「MARC formats for bibliographic data」による)。7カ国語以上のものは、わかれば主な言語コード1つ と、mul(mu1ti1ingual)を記録します。多言語で書かれていること自体に重要性がな いものは、主な言語lつのみ記録します。また、目次や要約だけが本文と異なる言語 で書かれていても、TXTLには本文の言語コードのみ記録します。

 

4. 出版物理単位

質問l4. VOLフィールドで、ISBNの説明語句と「固有の標題」でない出版物理単 位の表現とが区別できないことがある(例えぱ、「U.S.」「Germany」)。このような場 合どうしたらよいか。

(回答)
 あえて両者を区別する場合は、ISBNの説明語句の前に「:」を付けて下さい。
 (例) V0L:△:△Germany
 なお、VOLの記述文法(p.55)を、以下のように修正します。



  ┌────────┬───────┐
  │ ┌───┐  │ ┌───┐ │ ┌────┐
 ─┴─┤巻冊次├─┬┴─┤△:△├─┴─┤説明語可├─┬───
    └───┘ │  └───┘   └────┘ │
          └─────────────────┘

質問15. 出版物理単位をどのようにVOLフィールドに記録したらよいか。

(回答)
 VOLフィールドには物理単位ごとの巻次、部編名等を識別に必要な範囲で記録し ます。それ以外のもの(巻次、部編名として使用しなかった「固有の標題でないも の」)は、NOTEフィールドに記録します。ただし、「固有の標題でないもの」が 短い場合には、VOLフィールドに記録してもかまいません。

 (例)
 ┌──────────────────────────────┐
 │V0L:26 京都府 上巻                     │
 │V0L:26 京都府 下巻                     │
 │TR:  角川日本地名大辞典||カドカワ ニホン チメイ ダイジデン│
 │  :                            │
 │N0TE:26 京都府 上巻 総説・地名編              │
 │N0TE:26 京都府 下巻 地誌編・資料編             │
 └──────────────────────────────┘

質問l6. 出版物理単位に分割される書誌の時、CW(内容著作注記)への記述方法はど のようにするか。

(回答)
 巻次とCWを対応させる場合の記述方法は、次のようにします。

<和図書の場合>
  記述文法


 ┌─────────┐    ┌─────┐
 │┌───┐ ┌─┐│┌──┐│┌───┐│ ┌─┐ ┌─────┐
─┴┤巻冊次├─┤:├┴┤標題├┴┤△/△ ├┴┬┤||├─┤標題のヨミ├─┬─
  └───┘ └─┘ └──┘ └───┘ │└─┘ └─────┘ │
                       └────────────┘
                         洋書

   CW: 巻次1:標題1△/△責任表示‖標題1のヨミ
   CW: 巻次2:標題2△/△責任表示‖標選2のヨミ

 なお、l冊に複数著作が含まれる拐合は、以下のように記述してもかまいません。

   CW: 巻次1:標題l△/△責任表示II標題lのヨミ
   CW: 標題2△/△責任表示||標題2のヨミ
   CW: 標定3△/△責任表示||標題3のヨミ
   CW: 巻次2:標題4△/△責任表示II標題4のヨミ

<洋図音の場合>
  記述文法

 ┌─────────┐    ┌─────────────┐
 │┌───┐ ┌─┐│┌──┐│┌───┐ ┌────┐ │
─┴┤巻冊次├─┤・├┴┤標題├┴┤△/△ ├─┤責任表示├─┴─
  └───┘ └─┘ └──┘ └───┘ └────┘


   CW: 巻次1.標題1△/△責任表示
   CW: 巻次2.標題2△/△責任表示

 なお、l冊に複数著作が含まれる場合は、以下のように記述してもかまいません。
   CW: 巻次l.標題l△/△責任表示
   CW: 標題2△/△責任表示
   CW: 擦題3△/△責任表示
   CW: 巻次2.標題4△/△責任表示

5. 典拠レコード

質問17. 同一ファイルでHDNCの生没年の記述法がNCRによるものとAACR2に よるものとで異なるのはなぜか。

(回答)
 それぞれの目録規則の記述法に拠ったためで、日本名についてはNCRを適用し、 外国名についてはAACR2を適用しております。「基準」としては、AACR2の 記述法に統一する方法を検討中です。

質問l8. NCRにもとづくHDNGで、付記事項にもヨミをつけなけれぱならないか。

(回答)
 カード出力などの際、トレーシングにヨミの部分のみ表示すること、および配列の 要素になることを考慮し設定していました。しかし、作業の手間・AKEYの切りだ しへの支障を考慮して、付記事項のヨミは記録しないこととします。
 データベース編の記述文法の例を以下のように修正します。

   田中,明(1924生) || タナカ,アキラ

質問l9. SAFが多数あるLC参照レコード(団体名)は「基準」どおりに入力する のが困難。

(回答)
 SAFでリンクすべき相手の典拠レコードがNCデータベースにない場合は、SA Fのフィールドを削除してもよいこととします。

 

6. その他

質問20. 異なる目録規則により作成された参照MARCの流用入力時に、必ず基準通り に修正しなければならないか(例えぱ、NCR65年版で作成されたJPMARCの著 者表示3人をl人[ほか]に修正する)

(回答)
 基準に定めた目録規則、国立国会図書館・米国議会図書館の適用細則に則ってくだ さい。ただし、記述のレベルダウンになるような変更(例えば、3人の著者表示があ るものを1人にするようなこと)は、原則として行なわないこととします。

質問21. 今後各MARCのよる目録規則が改訂されても、この基準を変更せずデータの 一貫性を保つのか。

(回答)
 データベースの一貫性は保ちます。ただし、参照MARCの作成基準がかわった場 合は、その時点で「基準」の検討が必要であれば、検討します。

質問22. JP/MARCで当用漢字となっている字体は、情報源どおりに修正するの か。

(回答)
 参照MARCレコード中の字体は原則としてそのままとします。