オンライン・システム・ニュースレター No.33 (1992.03.24)


目録情報に関する質問書から


1 著者名典拠レコードのHDNGの修正

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃既存の典拠レコードのHDNG(個人名)には、生没年の付記事項が記録されていな   ┃
┃いが、その後判明した。この場合、HDNGを修正し、生没年を記録してよいか。   ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃既存の典拠レコードのHDNG(個人名)は、イニシアル形であるが、その後、完綴   ┃
┃形が判明した。この場合、HDNGを完綴形に修正してよいか。           ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 同一の著者に対して、常に同一形の標目が維持されることによって、典拠コントロールは成り立っています。典拠レコードのHDNGフィールドを修正すると、リンクしている書誌レコードのALフィールドの著者標目形との間で不整合が生じます。一度確立した統一標目形は、相応の理由がないかぎり、変更しないのが原則です。
 したがって、上記のような場合、HDNGフィールドはできるかぎり修正せずに、既存の統一標目形を維持する必要があります。後に判明した生没年、完綴形等を含む標目形はSFフィールドに記録します。
 これらの名称の形をSFフィールドに記録することによって、生没年を含んだ形や完綴形からも検索でき、LINKTO AUTHORコマンド発行時の検索もれを防ぐことができます。

    ┌────────────────────┐
 (例1) │HDNG:目録, 太郎‖モクロク, タロウ    │〔既存典拠レコード〕
    └────────────────────┘
         ↓ 生年が1950年であることが判明した
    ┌────────────────────┐
    │HDNG:目録, 太郎‖モクロク, タロウ    │
    │DATE:1950                │
    │SF:目録, 太郎(1950-)‖モクロク, タロウ │
    └────────────────────┘
  
 次のように修正するのは望ましくない
    ┌────────────────────┐
    │HDNG:目録, 太郎(1950-)‖モクロク, タロウ│
    └────────────────────┘
  
  
    ┌────────────────────┐
 (例2) │HDNG:Brown, M. C.            │〔既存典拠レコード〕
    └────────────────────┘
        ↓ 名の完綴形が "Michael Charles" であることが判明した
    ┌────────────────────┐
    │HDNG:Brown, M. C.            │
    │SF:Brown, Michael Charles        │
    └────────────────────┘
  
 次のように修正するのは望ましくない
    ┌───────────────┐┌──────────────────┐
    │HDNG:Brown, Michael Charles  ││ HDNG:Brown, M. C.(Michael Charles) │
    └───────────────┘└──────────────────┘

 なお、生没年・完綴形等をHDNGフィールドに記録しなければ、他の標目と同一標目形になってしまう場合や、既存典拠レコードのイニシアル形がよく知られている名称でなく、当該著者を代表させる標目形として相応しくない場合は、この限りではありません。
 また、著者名典拠レコード新規作成時に生没年・完綴形が判明する場合は、統一標目形の識別性を高めるために、これらを付記事項として必ず記録してください。
(完綴形の付記事項については、ニュースレターNO. 21、p. 10 を参照)

2 初号(記述の根拠とした号)以降に現れた標題の記録方法

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃洋雑誌で、記述の根拠とした号よりも後の号の表紙に、標題紙とは異なる標題が現 ┃
┃れた。しかし、標題紙の標題は以前のままである。表紙の標題はどのフィールドに、┃
┃どのような形で記録すればよいのか。                     ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

洋雑誌の場合

 TRフィールドに記録しなかった標題(以下、「その他の標題」)はVTフィールド に記録します。
 VTフィールドにおいては、標題の種類を示すコードと共にその他の標題を記録します。その際、コードの与え方が以下の2つの場合で異なりますので注意する必要があります。

 1) その他の標題が初号もしくは記述の根拠とした号に表示されている場合
   その他の標題の表示箇所にかかわる標題の種類コードと共に記録します。

  例. (洋雑誌の場合)
     TR:Fodor's New Mexico 
     VT:CV:New Mexico--Santa Fe, Taos and Albuquerque
  
     (和雑誌の場合)
     TR:Lumi re = 季刊映画リュミエール‖Lumi re = キカン エイガ リュミエール
     VT:CL:季刊リュミエール‖キカン リュミエール
    (CV,CLはそれぞれ表紙、奥付に表示されている標題に対するコード)

 2) その他の標題が記述の根拠とした号以降の号に表示されている場合

   その他の標題の表示箇所にかかわらず、コード=OHと共に記録します。
  標題の表示箇所にかかわるコードは使用できません。
   また、その標題が表示されていた巻号、およびそこでの表示箇所についての説明をNOTEフィールドに記入します。

  例. (洋雑誌の場合)
     TR:海洋科学 / 海洋出版‖カイヨウ カガク
     VT:OH:Marine sciences, monthly
     NOTE:Vol.20,no.12(1988.12)の並列標題: Marine sciences, monthly
    (後から現れた並列標題をTRフィールド中に記入することはできません)
  
     (和雑誌の場合)
     TR:神戸英米論叢 / 神戸英米学会‖コウベ エイベイ ロンソウ 
     VT:OH:Kobe studies in english 
     NOTE:2号(1988.8)の裏表紙標題: Kobe studies in english 
    (OHではなく、裏表紙に表示されている標題に対するコードであるBC
    を使用するのは誤りです)
  
   そこで、質問のケースの場合は、上記 2に該当しますので、例えば以下のように
  VTフィールドにコード=OHと共に記録することになります。
  
     VT:OH:Report of the Film Classification 
     NOTE:Cover title: Report of the Film Classification,no.7(1980)- 

 このケースは標題の変更にはならないことに注意して下さい。これは、洋雑誌では標題紙がタイトルの情報源として最も優先順位が高く(和雑誌は表紙)、そこに表示されている標題が一貫しているためです。
 同様の理由により、洋雑誌においては標題紙標題を示すコードであるTTは使用することはできません。標題紙に表示されている標題はTRフィールドに記録することになります。逆に、和雑誌においては、表紙標題を示すコードであるCVは使用することはできません。

 なお、図書の親書誌や、複数の出版物理単位からなる単行書誌単位におけるその他の標題も上記に準じて記録します。

3  「固有の標題」の判断について (図書)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃既存の書誌レコードの「固有の標題」の判断が誤っていると思われる。修正すべきか┃
┃否かどのように判断したらよいか。                      ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 既存書誌レコードに、勝手に子書誌レコードを作成しリンクしたり、親書誌レコードにVOLフィールドを追加することによって、多くの重複書誌が発生しています。
 「固有の標題」の判断に当たっては、目録担当者により判断の相違が生じうること考慮し、できるかぎり既存書誌レコードを尊重していただくようお願いします。
 また、「目録情報の基準」改訂前に作成された書誌の中には、現行「目録情報の基準」が示す「固有の標題」の判断基準に合致しないものもありますが、これについても特に支障がないかぎり、既存書誌をそのまま採用してください。(なお、この点について詳しくは、ニュースレターNO. 29, p. 29〜30 を参照)

4 キータイトルの記録方法 (雑誌)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 洋雑誌で、LC MARCより流用入力を行う際、VT:AB、VT:KTに続け         ┃
┃て表示されている標題は何なのか。本標題と一致していることもあり、そうでないこ┃
┃ともあるが、一致している場合、削除する必要があるのか。           ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 これらの標題は、ISDS(国際逐次刊行物データシステム)にISSN(国際標準逐次刊行物番号)とセットになって登録されている標題です。


1  キータイトル(標題の種類コード=KT)
 ISSNと一対一に対応するように定められた標題です。同名誌が複数ある場合は、発行団体、出版地等の情報を付加してユニークに識別可能となっています。本標題と一致していることもしばしばありますが、ISDSに登録された形を確 認する上で意味をもちますので、登録の際、削除する必要はありません。
2  略標題(標題の種類コード=AB)
 キータイトルを一定の省略法に基づいて簡略化した標題です。目録対象資料中に書誌票に収められた形式で表示されていることもありますが、たとえ資料上で確認できなかった場合でも、削除する必要はありません。

 「略標題」という名称から、本標題の簡略形、あるいは目録担当者が本標題を任意に省略した形を、VTフィールドに記入する際に使用するコードとの誤解をされている場合がありますが、この種の使用は誤りですので、御注意下さい。