オンライン・システム・ニュースレター No.37 (1992.12.14)


洋雑誌の誌名変遷について


 平成3年度第5回総合目録小委員会において決定されました AACR2 1988 revision (英米目録規則第2版1988修正版)および対応するLCRI(米国議会図書館適用解釈)における誌名変更にかかわる条項の採否についてご報告いたします。各条項番号およびその採否については以下のとおりです。

 (表1)
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┃条項番号┃     内容     ┃採否  ┃  修正・注釈内容  ┃ 遡及的適用 ┃
┃    ┃            ┃レベル ┃           ┃       ┃
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┃AACR2R ┃ 語の表現における変更 ┃    ┃           ┃       ┃
┃21.2A1.a┃ はタイトルの変更とは ┃ 採用 ┃ ───────── ┃ 適用しない ┃
┃    ┃ みなさない。     ┃    ┃           ┃       ┃
┠────╂────────────╂────╂───────────╂───────┨
┃LCRI  ┃ 語の表現の変更例   ┃ 採用 ┃ ───────── ┃ 適用しない ┃
┃21.2A1.a┃            ┃    ┃           ┃       ┃
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┃AACR2R ┃ 冒頭の 5語以降での変 ┃    ┃冒頭 5語以降における変┃       ┃
┃21.2A1.b┃ 更はタイトルの変更と ┃    ┃更の場合、書誌の同定・┃       ┃
┃    ┃ はみなさない。ただし ┃修正採用┃運用上特に必要と認めら┃ 適用する  ┃
┃    ┃ 意味内容・主題が変化 ┃    ┃れる場合には、タイトル┃       ┃
┃    ┃ する場合を除く。   ┃    ┃の変更とみなす。   ┃       ┃
┃    ┃            ┃    ┃           ┃       ┃
┠────╂────────────╂────╂───────────╂───────┨
┃LCRI  ┃ 年代・数を示す指示子 ┃    ┃           ┃       ┃
┃21.2A1.b┃ の変更はタイトルの変 ┃ 採用 ┃ ───────── ┃ 適用する  ┃
┃    ┃ 更とはみなさない。  ┃    ┃           ┃       ┃
┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━╋━━━━╋━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━┫
┃AACR2R ┃ タイトル末尾における ┃    ┃ただし、発行者の名称変┃       ┃
┃21.2A1.c┃ 発行者名称の付加・削 ┃ 採用 ┃更に伴う付加・削除の場┃ 適用しない ┃
┃    ┃ 除はタイトル変更とは ┃    ┃合、適用しない。   ┃       ┃
┃    ┃ みなさない。     ┃    ┃           ┃       ┃
┠────╂────────────╂────╂───────────╂───────┨
┃LCRI  ┃ 発行者名称の形(form) ┃    ┃           ┃       ┃
┃21.2A1.c┃ の変更はタイトル変更 ┃ 採用 ┃ ───────── ┃ 適用しない ┃
┃    ┃ とはみなさない。   ┃    ┃           ┃       ┃
┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━╋━━━━╋━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━┫
┃AACR2R ┃ 区切り記号の変更はタ ┃    ┃           ┃       ┃
┃21.2A1.d┃ イトル変更とはみなさ ┃ 採用 ┃ ───────── ┃ 適用する  ┃
┃    ┃ ない。        ┃    ┃           ┃       ┃
┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━╋━━━━╋━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━┫
┃LCRI  ┃ 複数の異なるタイトル ┃    ┃ただし、階層構造になっ┃       ┃
┃21.2c  ┃ が規則的パタンに従っ ┃    ┃ている場合は除く。  ┃       ┃
┃    ┃ て使用されている場合 ┃ 採用 ┃           ┃ 適用する  ┃
┃    ┃ タイトル変更とはみな ┃    ┃           ┃       ┃
┃    ┃ さない。       ┃    ┃           ┃       ┃
┃    ┠────────────╂────╂───────────╂───────┨
┃    ┃ 各号のテキストの言語 ┃    ┃ただし、この適用はその┃       ┃
┃    ┃ に従ってタイトルの言 ┃    ┃変化が不安定とみなせる┃       ┃
┃    ┃ 語が変化する場合タイ ┃ 採用 ┃場合に限る。     ┃ 適用する  ┃
┃    ┃ トル変更とはみなさな ┃    ┃           ┃       ┃
┃    ┃ い。         ┃    ┃           ┃       ┃
┃    ┠────────────╂────╂───────────╂───────┨
┃    ┃ 並列標題の順序変更・ ┃    ┃           ┃       ┃
┃    ┃ 追加はタイトル変更と ┃ 採用 ┃ ───────── ┃ 適用する  ┃
┃    ┃ はみなさない。    ┃    ┃           ┃       ┃
┣━━━━╋━━━━━━━━━━━━╋━━━━╋━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━┫
┃センター┃ レイアウトの変更に伴 ┃    ┃           ┃       ┃
┃案   ┃ い、顕著に表示されて ┃    ┃           ┃       ┃
┃    ┃ いるタイトルが入れ替 ┃ 採用 ┃ 和・洋共に適用   ┃ 適用しない ┃
┃    ┃ わった場合タイトル変 ┃    ┃           ┃       ┃
┃    ┃ 更とはみなさない。  ┃    ┃           ┃       ┃
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 1988修正版の日本語版が刊行されていないことを考慮し、以下にAACR各条項の全文(訳)を掲載いたします。

○ 21.2 『本標題の変更』
21.2A 『定義』
21.2A1
『一般的に、冠詞、前置詞、接続詞以外の何らかの語が付加、削除もしくは変更されるか、あるいは冒頭の5語(タイトルが冠詞で始まっていた場合には冒頭の6語)の順序に変更があった場合、本タイトルが変更したとみなす。
しかしながら、一般的に以下のような場合には本タイトルが変更したとはみなさない。
a)1語もしくは複数の語の表現に変更が生じた場合(例;略語もしくは記号 vs.展開形、単数形 vs.複数形、スペルの異同)
b)冒頭の5語(タイトルが冠詞で始まっていた場合には冒頭の6語) の後に、付加、削除、変更が生じるものの、タイトルの意味内容が 変化せず、異なった主題事項を指し示すことも無い場合。
c)変化が、タイトルの末尾における発行者の名称の付加もしくは削除(何らかの文法的結合)のみであった場合。
d)変化が、区切り記号の付加、削除、変更のみであった場合。
疑わしい場合は、本タイトルが変更したものとみなす。
本タイトルの変更を構成するものとはみなされないこれらの変化は、適当と判断されるなら、注記する。また、アクセスに必要と考えられる何らか の異形のもとでの副出記入を作成する。』

 ここで、21.2A1 b)に対しては、「冒頭5語以降における変更の場合、書誌の同定・運用上特に必要と認められる場合には、タイトルの変更とみなす。」という条件を加えた形で採用になりました。これによって、特にタイトルの意味内容が変化、あるいは異なった主題事項を指し示すことも無いと考えられる、冒頭5語以降における従属標題部に対する語の付加、削除、変更の場合においても従来のNCの運用との整合性を保つ等の理由で必要ならば、誌名変更とみなすことが可能となります。(New series1 → New Series2 のような場合)
 また、21.2A1 c)では、変化が発行者の名称の付加もしくは削除のみであった場合、本タイトルの変更とは見なさないとありますが、それと同時に発行者の名称自体が変更を被った場合にはこの条項は適用されませんのでご注意ください。(逆にいうと発行者の名称が一貫している場合に限り、この条項は適用されます)

 以上のAACR2各条項の適用にあたっての対応するLCRIの条文は以下のとおりです。
(1)  21.2A1 a)
21.2A1.aを適用する際には、例文として明示的に記述されているものに加えて、少なくとも以下のケースが含まれる。
・アラビア数字 VS. ローマ数字
・ハイフンで結ばれた語 VS. 結ばれていない語
・区切り記号(separating punctuation) 付きのイニシアル語、文字 VS. 付いていないもの
・数字もしくは日付 VS. スペルアウトされた形
・ある綴り方 VS. 別の綴り方:この基準は通常の正書法上のヴァリエーションのケースおよび公式の正書法が変化したケース双方に適用される
・ハイフンで結ばれていようといまいと1語の複合語(one-word compounds) VS. 2語の複合語(two-word compounds)
・記号(signs and symbols;"&" 等) VS. スペルアウトされた形
(2)  21.2A1 b)
21.2A1.bを適用する際には、タイトルにリンクされる年代もしくは数を示す指示子( 例;"for the year ending June 30"もしくは"for the fiscal year") の付加・変更・欠落は(冒頭の5語内であっても)本タイトルの変更とはみなさない。しかし、この場合、異形に対して副出記入を作成する。
(3)  21.2A1 c)
21.2A1.cを適用する際には、タイトルの末尾における発行者もしくはそのヒエラルキーの構成部分の名称が一つの形から別の形へ変わったときには本タイトルの変更とはみなさない
( 例;イニシアル形からスペルアウトされた形へ、より長い形から短い形へ)

 次に、表1におけるLCRI.21.2Cの内容は以下のとおりです。

(1) 不安定な誌名(Fluctuating Titles of Serials)
ある雑誌が、規則的なパタンに従って、2つあるいはそれ以上のタイトルを使用している場合、あるいは、ある雑誌のある号のテキストの言語に従ってタイトルの言語が変化する場合、最古号のタイトルを本タイトルとし、他のタイトルはタイトルの変動の説明とともに、注記へまわす。
(2) 誌名の順序の変更(Changes in Order of Serial Title)
以下の場合には、本タイトル(最古号から選択)が変更したとはみなさない。1)より新しい号において、最古号とは異なった順序で複数の言語によるタイトルが現れたとき
2)より新しい号において最古号には現れていなかった並列タイトルが現れた場合

 以下の規定は学術情報センター独自のものです。

 「主情報源上のレイアウトの変更に伴い、より顕著に表示されている標題に変更が生じた場合においても、従来本標題として採用していた標題が主情報源上に表示されている限り、誌名変遷とはみなさない。」

 この規定は和・洋共に適用いたしますのでご注意ください。

 以上の条項の適用に際して、疑問等がある場合は、情報源コピーと共に雑誌目録情報係までお問い合わせください。
 また、以上の条項を遡及的に適用した場合、誌名変更とはみなせなくなった書誌群については、以下の処置を取ってくださるようお願いいたします。
(従来、標題関連情報の変更のみで別書誌を作成しているケースが多くみられますが、その場合も同様の処置をお願いいたします。)
  1. その書誌群に対する所蔵がある場合、所蔵データを書誌群中の最もIDの小さい書誌に対して付け替えてください。また、その書誌に対して必要な修正作業を 行ってください。
  2. 変遷注記用データシート上で、変遷マップに対して必要な修正を行い、情報源コピーと共に雑誌目録情報係までご送付ください。
  3. 現在、学術雑誌総合目録欧文編全国調査中のため、当分の間重複とみられる書誌レコードの削除予定レコード化は行わないでください。