オンライン・システム・ニュースレター No.38 (1993.03.26)


ILLシステムアンケート及び懇談会の実施


 昨夏、ILLシステムの利用に関するアンケートを実施し、また1月には、そのアンケート結果に関する懇談会を開催しました。各参加機関のご協力に改めてお礼申し上げます。
 アンケート結果の概要ならびに懇談会での意見等について以下に報告します。

ILLシステムの利用に関するアンケート

  1. 調査対象
     平成4年6月末時点で終了状態になったILLレコードを依頼・受付した126機関の221参加組織を対象とした。
  2. 調査期間
     平成4年7月23日(木)〜8月14日(金)
  3. アンケート回収状況
     アンケートの配付参加組織数および回答参加組織数は以下のとおり。
       ┏━━━━━━━━━━┳━━━━━┳━━━━━┳━━━━━━━━┓
       ┃ 機関種別     ┃ 配付数 ┃ 回答数 ┃ 回収率(%)   ┃
       ┣━━━━━━━━━━╋━━━━━╋━━━━━╋━━━━━━━━┫
       ┃ 国立大学     ┃   175 ┃   173 ┃   98.9   ┃
       ┠──────────╂─────╂─────╂────────┨
       ┃ 公立大学     ┃    1 ┃    1 ┃   100.0   ┃
       ┠──────────╂─────╂─────╂────────┨
       ┃ 私立大学     ┃   41 ┃   37 ┃   90.2   ┃
       ┠──────────╂─────╂─────╂────────┨
       ┃ 大学共同利用機関 ┃    3 ┃    3 ┃   100.0   ┃
       ┠──────────╂─────╂─────╂────────┨
       ┃ その他      ┃    1 ┃    1 ┃   100.0   ┃
       ┣━━━━━━━━━━╋━━━━━╋━━━━━╋━━━━━━━━┫
       ┃ 合計       ┃   221 ┃   215 ┃   97.3   ┃
       ┗━━━━━━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┻━━━━━━━━┛
    
  4. 主な意見・要望等
    1) 依頼館業務について
    ・複写物に同封される内容明細の様式を統一して欲しい。
    ・受付館(特に大量受付館)でのSEND処理を早く行って欲しい。
    ・所蔵データの更新頻度を年1回は行って欲しい。特に、新規購入と中止の情報は早 く反映して欲しい。
    ・依頼件数が増大し、また端末台数の不足により業務量が増大。
    ・徴収猶予許可番号の入力が煩雑であり、自動転送が使えない。FA番号のように固 定化できないか。
    ・所蔵検索画面で、参加館以外の所蔵も一緒に表示して欲しい。
    ・私立大学の参加が少ないために、特定の私立大学に依頼が集中してしまう。
    ・ILLシステムへの全館参加を望む。現状ではマニュアル依頼との二本立てになる。
    ・国立国会図書館への依頼を可能にして欲しい。
    2) 受付館業務について
    ・受付件数が増加し、業務を圧迫している。
    ・専用端末、専用職員の不在により、迅速かつ安定した処理が行えない。
    ・宛名ラベルがなくなったり、作業用帳票の出力等、受付館の負担(作業、経費)が 多くなった。
    ・マニュアルとの二本立てのため、処理が煩雑になった。
    ・ローカルシステムが未開発なため、従来よりも作業量が増加している。
    ・集中化を回避するためにシステムでの振り分けを行って欲しい。また、分散化のた めにも国公私の包括的な参加を望む。
    ・所蔵館の多い資料については、地域優先で依頼して欲しい。
    ・一度に多くの依頼をする場合、一館に集中させずに分散させて欲しい。
    ・研究室や教官に貸し出している資料の場合に、学内での連絡・調整が困難である。
    ・照会と転送の機能を誤って操作することがある。
    ・所蔵事項の確認は正確に行ってほしい(特に欠号や購入中止)。
    3) 貸借業務について
    ・現物貸借が便利になり、資料提供も迅速化している。
    ・帳票出力、資料の梱包、送料の負担(経費)の増大。
    ・特定館に依頼が集中している。
    ・研究室貸出資料の依頼が増加し、連絡・調整の業務が増大した。
    ・謝絶のタイミングに考慮を要する。
    ・依頼館側のモラル(最新刊に対する依頼、近隣の公共図書館でも入手できるような 資料に対する依頼)を向上して欲しい。
    ・遡及入力の推進によるデータベースの拡充を図って欲しい。
    ・受付館側の資料提供の体制を整えて欲しい。
    ・参加館のさらなる拡充を希望する。
    4) 運用マニュアル整備のために検討すべき事項
    ・依頼レコードの単位、1レコード1文献の徹底等、依頼館側での留意点。
    ・依頼館における依頼先選定の基準。地域優先等。
    ・受付館の受付頻度、転送の判断基準、作業規定。
    5) 徴収猶予制度および料金処理について
    ・徴収猶予制度の改善を望む。
      --納入告知書の発行事務が煩雑。
      --許可番号の毎年更新が煩雑である。
      --許可の単位が機関毎、キャンパス毎と国立大学によって方法が異なる。
      --告知書に1件毎の明細がない場合が多く、レコード1件ずつとの照合処理が 必要になる。
      --納入期限を守らない機関がある。
    ・国公私の一括精算システムが望ましい。
    ・現物貸借も複写と同様に予算振替方式にして欲しい(国立大学)。
    ・国立大学の料金処理の改善を望む。
    6) その他、利用者の感想等
    ・プラス評価
      --利用者からは早くなったと好評である。
      --昨年に比べると依頼件数が増えた。
      --依頼作業が省力化できた。
      --操作マニュアルがわかりやすい。
      --講習会は有意義。地域講習会の開催を望む。
      --処理状況について利用者に回答しやすくなった。
      --書誌事項が確実になり、参照不完が少なくなった。
      --謝絶の場合、自動転送されるのが一番のメリット。
      --所蔵館が確認しやすくなった。
    ・マイナス評価
      --受付業務の増大。十分に業務体制が整備されていない。
      --ILL未参加館からの依頼もあり、並行作業になっている。
      --帳票類の不統一のため料金支払いや整理が不便。
      --FAXはむしろ遅くなった。
      --効率よく処理するにはローカルシステムが必要になる。

2.ILLシステムアンケート結果に関する懇談会

  1. 日 時 :平成5年1月28日(木) 14:00〜17:00
  2. 場 所 :学術情報センター別館会議室
  3. 出席者 :ILLシステム利用館から20名
  4. 主な内容:
    1) 受付館における処理日数と、転送の判断について
    -- 雑誌センター館としては、自館にしか所蔵のないものもあり、転送できる資料が どれくらいの率であるかが分からないので、安易に転送できない。
    -- 自館にしかない資料かどうかの確認(検索)は受付館の負担となる。
    -- 依頼館側としては、処理の可否に関わらず、受付館からの反応が早く欲しい。 待つか、転送するかは依頼館側で決める問題であり、依頼館にレコードを返すべき ではないか。
    -- 次候補館があるのに、1週間や10日も「処理中」のままにしておくのは、サービ スの低下ではないか。各図書館で方針(処理日数)を持つべきである。
    -- ILLシステムでの平均処理日数を参考にし、各図書館が標準処理日数を定めて転 送の判断を行ってはどうか。また、SEND処理も発送したその日のうちに行うべ きである。こういったことをルール化すべきではないか。
    -- 申込者にはなるべく入手期限を聞いて依頼している。(処理日数を制定されて)短 期間で謝絶されるよりは、時間がかかっても確実に入手できたほうがよい。また、 急ぐ時はその旨CMMNTに入力するので問題ない。
    2) 転送の判断材料として次候補館の有無を表示するかどうかについて
    -- 次候補館の有無について見せないような仕様にしたのは、見せてしまうと安易な謝 絶の理由になると考えたので(学情セ)。
    -- 見せると、処理の早い館が次にひかえていた場合、そちらへ転送されて、その館に 集中してしまうのではないか。1館に集中しないような仕組みにすべき。
    -- 転送の判断基準は運用で処理すべき問題。次候補館の有無に関係ない。
    -- 次候補館が見えても安易な謝絶はないのではないか。さらに学部や研究室の資料を 申し込まれた場合、次候補館に図書館所蔵のものがあれば、そちらに転送して、早 く処理することができる。
    -- 見えるというメリットのほうが(見せたときの弊害よりも)大きいのではないか。
    -- 次候補館をそのまま画面表示するのではなく、次候補館の数だけを表示するのはど うか。また、その資料の所蔵館数も分かれば便利。
    -- 逆に、依頼館側で次候補館を指定していない時はその旨CMMNTに入力させるべ き。それ以外は次候補館があるものとして処理すればよい。
    -- 依頼館側で早い館を上位に指定しているはず。館数、館名表示はあまり関係ないの では。受付館側の事情というのは依頼館側では分からないので、やはり処理日数の 基準(申合せ)を設ければ解決できるのではないか。
    -- 依頼先の選定についても申合せが必要。
    3) 特定受付館への集中を回避することについて
    -- 処理の早い館に集中しがちであるが、そういった館への集中を避けるために他館へ 依頼してその結果、処理が遅くなるのは困る。
    -- 受付館の集中度については、運用前の段階では未知数でありやってみなけらば分か らなかった。ただ、平等よりも全体のバランスを考慮。所蔵の多い館は当然、受付 も多いし、少ない館は少ない。需要と供給のバランスで、賢い消費者はその都度の 最適行動をするものだろう(学情セ)。
    -- 大量受付館としては、受付件数が多いために処理を早くせざるを得ないという悪循 環がある。
    -- 私立大学にはCATに接続しないとILLが利用できないという誤解がまだまだあ る。私大の参加を増やして受付の分散化を図るためにも、センター側で特に私大を 対象に広報していく必要がある。
    -- 現在、CATだけ利用している私大がかなりある。こういった館がILLにも参加 するだけで、かなり状況が変わるのではないか。
    -- ILL参加館ではILLシステムでの依頼を優先している。そのため、ILLシス テムでの件数の増加に対してマニュアルでの件数は減少しているはず。参加館の増 加だけでも十分、分散化が図れると思う。
    -- 当館では申込のあった館へ依頼しあっており、GIVE&TAKEの関係はうまく いっている。大量受付館へはその館にしか所蔵がないものしか依頼していない。
    -- システム的に依頼順位を設定するといったことができないか。
    4) 受付館の円滑な業務を阻害する参照不完の依頼について
    -- 当館ではILLシステムになって謝絶の割合が増えた。特に参照不完が多くシステ ムで依頼が安易にできるようになったためだろうか。
    -- 逆に、ILLシステムになって参照不完は少なくなったのではないか。雑誌名が正 確になった点の典拠性は向上している。
    -- 小さな図書館にはレファレンスのための道具(検索ツール)が少なく、その点でも 大規模館に頼らざるをえない。書誌事項の確認については、「運用マニュアル」等 でモラルを制定しないと将来的に参加館が増えると混乱をきたすのではないか。
    5) その他
    ・ 徴収猶予許可番号に入力について。次館あての番号も入力できるよう、システム的に 対応してほしい。
     -- 大学により番号の体系や受付の可否が違う。なかにはILLシステムでは国立大学 (費用相殺館)しか受け付けないところがある。
     -- システムでの対応は無意味。制度そのものの改定が必要である。
     -- 国公私含めた費用相殺制度、あるいはILL参加館すべてが後納で処理するといっ たことは実現が難しい。取りあえずは徴収猶予制度を緩和する方向で話を進めてい くべき。例えば申請を1つの窓口で代表する、許可番号はFA番号で統一する、等。 公・私立大学の協議機関からも働きかけてほしい(学情セ)。
    ・ PARDONの使い分けについて。謝絶をしたのにANSWERで再び申し込んでき たり、照会したものをANSWERせずにFORWARDで転送したりCANCEL したりするといったことが見受けられる。こういったことがないようシステム的に対 応できないか。
     -- コマンド、状態、遷移の変更といったセンターシステムの修正は、ローカルシステ ムに対する影響が大きく、あまりセンター側で変更すべきではない。
     -- ANSWERすべきもののFORWARDやCANCELの防止をシステム的にカ バーすべきではないか。
     -- PARDONコマンドで処理される内容が雑多すぎる。謝絶と照会、料金請求は区 別すべきである。また、後者についてはシステム的に回答を必須とすべきであろう。
     -- コマンドの変更、状態および状態遷移の変更については今後、検討していきたい (学情セ)。
    ・ ILLの画面で依頼館が国立大学か国立以外かの識別ができないものか。
    ・ アンケートの結果について
     -- 公表すべき事項があれば、オンライン・システムニュースレターに掲載するつもり である(学情セ)。
    ・ 運用マニュアルについて、センターで作成する予定はないか。
     -- 運用マニュアルのレベルによる。システム操作に関する事項については、現在の操 作マニュアルに盛り込むことが可能であるが、運用規定に関わる事項はやはり、各 協議会等を中心にして決めるのがベスト。そのための場所や機会はセンター側で提 供することも可能なので、検討していただきたい(学情セ)。