オンライン・システム・ニュースレター No.38 (1993.03.26)


著者名典拠レコードの登録・作成・修正等の注意点


 現在センターでは、新規に登録、もしくは修正を加えられた著者名典拠レコードについて、確証・点検作業を行っております。その際に気付いた点を中心に、著者名典拠レコードの登録・修正等の作業時に注意すべき事項を以下にまとめました。確認下さいますようお願いします。

I 登録・流用時の注意

1  LINKTOコマンド発行時の注意

 LINKTO AUTHORコマンドを発行すると、システムは書誌レコード中のALフィールドに入っているデータを検索キーとして、典拠ファイルの自動検索を行います。従って、ALフィールドの記述と、実際にNCの典拠ファイル中のレコードのHDNGとがわずかでも異なる場合にはヒットしません。その結果、付記事項やヨミの些細な相違、漢字の新旧字体の差等によって簡単に重複レコードが作成されてしまうことになります。
 このようなことを防ぐためにも、登録時のALフィールドの記述は漢字だけ、もしくはヨミだけにする、或いは、検索してNC以外の参照ファイルにヒットした、もしくはヒットしなかった、というような場合にはBROWSEコマンドを使って著者名典拠検索画面に戻り、検索キーを変えて再検索する、といった作業を小まめに行うようにして下さい。

   (例)
  ┌─────────────────────────────────────────┐
  │和図書書誌流用入力     JP     1/  1                  │
  │>:LI A ← LINKTOコマンドを発行する                        │
  │<BN08523165>                                   │
  │GMD: SMD: YEAR: 1992  CNTRY: ja TTLL: jpn TXTL: jpn ORGL:   REPRO:     │
  │VOL:      ISBN: 4265041132 PRICE:1100円 NBN: JP92034439           │
  │TR: 天才えりちゃんが消えた / 竹下竜之介作・絵‖テンサイ エリチャン ガ キエタ   │
  │ED:                                        │
  │PUB: 東京 : 岩崎書店 , 1992.4                           │
  │PHYS: 110p ; 22cm                                 │
  │VT:                                        │
  │CW:                                        │
  │NOTE:                                       │
  │PTBL: いわさき創作童話‖イワサキ ソウサク ドウワ <BN04297734> 13//a        │
  │AL: 竹下, 竜之介‖タケシタ, リュウノスケ <>                  │
  │UTL:                                       │
     ↓
   
   ↓09
  ┌─────────────────────────────────────────┐
  │著者名典拠詳細表示     JP←JPにヒット09   1/    1           │
 →│>:BROWSE                                     │
  │<IN07399487> RECST:n                                │
  │HDNG:竹下, 竜之介‖タケシタ, リュウノスケ                     │
  │TYPE:p                                      │
  │NOTE:「天才えりちゃん金魚を食べた」(岩崎書店 , 1991.4)              │
  │NOTE:JP91035975                                  │
  └─────────────────────────────────────────┘
     ↓ 一応、JPにヒットした。しかし本当にNCに無いのか
       BROWSEコマンドで著者名典拠検索画面に戻る
  ┌─────────────────────────────────────────┐
  │著者名典拠検索・簡略表示      JP     1/    1             │
  │>:                                        │
  │AUTH = 竹下,竜之介‖タケシタ, リュウノスケ                    │
  │AKEY :   PLACE=       DATE=                       │
  │WORDS=                                      │
  │ID  :   SAID :                                │
  │FILE :                                      │
  │ 1.<IN0739948> 竹下 ,竜之介                            │
  └─────────────────────────────────────────┘
     ↓ 字体が異なっている可能性があることを考慮して、AUTHの部分の
       漢字形を消して、再検索を行うことにする
  ┌─────────────────────────────────────────┐
  │著者名典拠検索・簡略表示     JP     1/    1              │
  │>:                                        │
 →│AUTH =タケシタ, リュウノスケ                           │
  │                                         │
     ↓ この形にして、再検索する
  ┌─────────────────────────────────────────┐
  │著者名典拠詳細表示       NC←NCにヒット09  1/    1           │
  │>:                                        │
  │<DA05500259> CRTDT:19910625 RNWDT:19910625                    │
 →│HDNG:竹下, 龍之介(1984-)‖タケシタ, リュウノスケ                 │
  │TYPE:p                                      │
  │DATE:1984-                                    │
  │NOTE:第8 回福島正実記念SF童話大賞受賞                       │
  │NOTE:「天才えりちゃん金魚を食べた」(岩崎書店 1991):奥付 (竹下龍之介;       │
  │    たけした りゅうのすけ; 1984年宮崎県都城市に生まれる)           │

 これは、HDNG中の漢字形が異なっていたことで検索漏れになってしまった例です。

2  流用入力時の注意(付記事項に関して)

 ここでは特に日本名著者名典拠参照ファイルについて述べておきます。日本名著者名典拠参照ファイルはJAPAN/MARCのデータを元に、センター側が独自に作成したものです。
 その作成の方法については、以下のようになっています(タグやサブフィールドについては、「JAPAN/MARCマニュアル 図書編 第1版」を参照してください)。

 HDNG: JP/MARCのタグ751の$bと$aとを取り出してきて、それぞれを‖で区切る
 TYPE: 上記の方法によって切り出してきたHDNGの形から、pもしくはcを判断する。具体的には、
   $b=姓,名 であれば、p
   $b≠姓,名 で更に続いて“("があり、その後がアラビア数字であれば、p
   $b≠姓,名 で更に続いて“("があり、その後がアラビア数字でなければ、c
   $b≠姓,名 で更に続いて“("が無いならば、c
    と判断して分類する
 NOTE:最初のNOTEには、タグ251の$aを記述し、続けて“("“タグ270の$b"“,"“同$d"“)"の順に記述する
 NOTE:2番目のNOTEには、タグ020の$a,$bの値を記述する

 この結果、参照ファイル中にも付記事項の記述方法の相違によって、重複レコードが発生しております。

  ┌──────────────────────────────────────┐
  │著者名典拠検索・簡略表示   JP    1-  3/     3          │
  │>:                                     │
  │AUTH =江戸川 乱歩                             │
  │AKEY :       PLACE=                      DATE= │
  │WORDS=                                   │
  │ID  :    SAID:                             │
  │FILE : jp                                  │
  │ 1.<IN00272069>江戸川,乱歩                         │
  │ 2.<IN09923439>江戸川,乱歩(1894〜1965) ←付記事項の記述方法によって重複   │
  │ 3.<IN10834314>江戸川,乱歩(1894-)  ←付記事項の有無によって重複      │
  └──────────────────────────────────────┘

 もし、この例のようなケースにヒットしてしまった場合には、目録情報の基準で定められている形のものを採用するようにしてください。
 現在国立国会図書館では、同姓同名が発生した場合、その2人目から生年付記を行っております。従って、同姓同名が無い場合、もしくは同姓同名1人目の場合には生年の付記がありません。しかし、過去の一時期において、全ての著者に生没年を付与していたこともあり、結果として前述のように参照レコードであっても、付記事項の有無や記号の相違によって複数の典拠レコードが作成されてしまいます。
一方、センターでは、コーディングマニュアル「51.2 任意規定の適用範囲」において、 人名の付記事項については、判明する限りにおいて付記する、となっております。この結果、和図書書誌参照ファイルからの流用入力の際に、付記事項の有無や差異によって典拠レコードのヒットするファイルが一定しないことがでてきます。登録時、付記事項については充分注意してください。

3  その他作成上の注意

3-1  SFとSAFフィールド

 SFフィールドとSAFフィールドについてはその使用方法の厳密な線引きが困難なところもあり、ある程度の混乱は止むを得ないと考えます。
 ですが、例えば、漢字の新旧の字体の相違で互いに典拠レコードを作成し、SAFでリンクさせているもの等の誤った使用例が散見されます。このような微細な相違はSFフィールド中に記述されるべきものです。SFフィールドとSAFフィールドの使用方法については、充分に注意してください。

3-2  洋図書中の日本名

 国内刊行洋図書や外国書等の責任表示では、日本人名であってもほとんどがローマ字で表記されています。しかし総合目録の典拠ファイルの中には、既に漢字形で当該人物が登録されている可能性があります。従って、検索・登録の際には、ローマ字形の他にもカナ形にして再検索するなどの方法を必ず行うようにしてください。

3-3. 会議名の典拠レコード

 会議名の典拠レコード中には、回次が入ったままの標目形が見られます。この結果、回次のみの相違する会議名の典拠レコードが複数作成されてしまっています。回次等ははずしたかたちで作成するようにしてください。

II  レコード修正

1  HDNGの修正

 HDNGについては、原則として最初に作成された標目を維持する、という典拠レコードの基本的な概念から、使用する目録規則から見て明らかに誤りがあるなど、相応の理由が無い限り、修正しないで下さい。
 例えば、自分が今登録作業中の資料にある表記形と、実際にNCのレコード中にあるHDNG形が異なる、ということがあります。このような場合、既にあるデータが明らかに間違いである場合を除いて、原則として現在登録されている形を採用します。自分が今現在目にしている表記形に書き換えるといった行為はしないでください。また、今手元にある表記形はSFフィールドに追記するようにします。このような例として、ヨミの清濁、外国人名の称号(Sir.等)の追記・削除などが挙げられます。

1-2  外国人名のHDNG形

 外国人名典拠レコードの中には、名称をイニシャル形からフルネームに修正している例が見られます。ですが、AACR2“22.1 General rule"にあるように、HDNGには最も良く知られた形を採用することになっています。ですから、必ずしもフルネームにする必要はありませんし、場合によっては、逆に同定が困難になることもあり得ます。標目の決定に際しては、注意してください。

  (例) ○ Kennedy, John F.
     × Kennedy, John Fitzgerald.

2  その他のフィールドの修正

 基本的にはHDNG以外のフィールドの修正は自由です。ただし、データの削除だけは充分に注意してください。

2-1  DATEフィールド

 最近、新聞の死亡記事等を元にDATEに没年を追記している例が見られます。この修正自体は問題ありませんが、中には、月日まで記述しているものがあります。DATEのフィールドには年だけを記述してください。
 また、個人名のDATEの生没年について、時々「;」で区切っているものがありますが、これは誤りです。恐らく「目録情報の基準」p.62に拠ったものと思われますが、この部分については、コーディングマニュアル8.3.4に記述方法が示されています。
 こちらに従うようにしてください。

2-2  NOTEフィールド

 NOTEフィールドには必ずHDNG形の決定の根拠とした情報源を記録しておくことは当然ですが、HDNG形を修正するような場合にも、修正の根拠とした情報源を記録するように心掛けてください。

III  著者情報について

 PLACEやNOTEのフィールドに著者個人の現住所や連絡先が記述されている例が見られます。このような情報は私的な“個人情報"であり、プライヴァシーの保護等の観点から、逆に記録されるべきではない情報です。たとえそのような情報が得られたとしても、典拠レコード中には記述しないでください。
 典拠レコードは人名録や人物事典というようなものとは異なります。典拠とは、「ある資料の著編者等の名称(標目)を、確固とした資料ないし情報源を元に、ただ一つの形に決定すること」であり、「その決定した標目形、そして決定の根拠とした情報源の記録をする」ためのものです。従って、典拠レコード中に記述出来る情報とは、ある人物なり団体なりを特定出来る必要最小限の情報に限られます。
 勿論、同性同名が多くてかなりの情報を記述しなければ特定され得ない場合も考えられます。しかし、住所や電話番号といったものは特定化する必要情報ではなく、典拠レコード作成者のみが判ればいいものです。また、「○○人名録に出ているから」と考えるかもしれませんが、それは、その人名録に掲載することのみを前提にして情報提供を行っているのが普通です。ですから、このようなデータベース化されることに対して著者自身が承諾をした訳ではありません。典拠レコード作成に際しては、この点を充分に認識してくださいますようお願いします。