オンライン・システム・ニュースレター No.47 (1994.10.07)


参照MARC流用時の注意について(3)



和図書書誌レコードの参照MARC流用時の注意事項について、オンラインシステムニュースレターNo.39(JAPAN/MARC編)及びNo.40(TRC/MARC編)で解説を行いました。

洋図書についても、各種MARCレコードをセンターの仕様に合わせるため、フォーマット変換を行って参照MARCを作成していますが、MARC作成機関の使用する規則の相違等により、必ずしもセンターの基準・規則に合致しているわけではなく、流用入力時にはセンターの基準・規則に合わせる必要があります。

そこで今回は、LC/MARC流用時の注意事項について、解説を行うことにします。

【洋図書書誌レコード・LC/MARC編】

(1) 「固有の標題」でないものが、TRフィールドに記録されていることがある

《解説》 LC/MARCでは「英米目録規則第2版改訂版(AACR2R)」1.1B9 の規定に基づいて、ある資料の補遺または部分であることを示す名称は、本タイトルの一部としてピリオドに続けて記録されています。したがって、 "Supplement" や "Part B"というような、センターの基準では固有の標題であるとみなせないものも、標題の一部としてTRフィールドに記録されている場合があります。
《対応》 当該名称は、巻次等または部編名として、VOLフィールドに記録しますが、NCファイル中に当該VOLフィールドを追加すべき(あるいは当該VOLフィールドを既に持っている)書誌レコードが既に作成されていないかどうか、確認する必要があります。

(2) 親書誌、あるいは中位の集合書誌単位として記録することが適当なものが、TRフィールドに記録されていることがある
(3) 「固有の標題」に該当するものがCWフィールドに記録されていることがある

《解説》(2)・(3)について
LC/MARCの書誌レコード作成単位が、NCの基準と一致していない場合、このような状況が発生します。
《対応》 いずれの場合も、NCの書誌レコード作成単位に合わせて、参照MARCを修正します。(2)の場合、当該名称はPTBLフィールドに記録します。
(3)の場合、CWフィールド中にある「固有の標題」とみなせるものをTRフィールドに移して、それぞれを単行書誌単位とする書誌レコードを作成します。参照MARC中でTRフィールドに記録されていたものは、親書誌または中位の集合書誌となり、PTBLフィールドに移動することになります。NCファイル中にリンクすべき適当な親書誌が既に作成されていないかどうか、リンク形成の際に慎重に確認してください。
なお、(3)とは違うケースですが、CWフィールドに巻次等や部編名が記録されている場合にも御注意ください。これらはVOLフィールドに移します。

(4) 複数の出版物理単位に対応している書誌レコードであるにもかかわらず、VOLフィー ルドに、対応する巻次が記録されていないことがある

《解説》 参照MARCのVOL、ISBN、PRICEの各フィールドは、LC/MARCの中のISBNを収納するタグと対応させて作成されています。そのためタグ中に巻次等に相当するデータがない場合、参照MARCには巻次等に対応するだけの十分な数のVOLフィールドが作られないという状況が発生します。
《対応》 目録対象資料現物の巻次等に対応するVOLフィールドを作成してください。

(5) ISBNの後ろに説明語句が付いていることがある
(6) VOLフィールドに、巻次等、ISBNの説明語句のいずれにも該当しないものが入っていることがある

《解説》(5)・(6)について
(5)のようなケースとしてはまず、セット物単位で1つのISBNを持つとき、(set)という語句が付記されている場合が考えられます。また、(lib. bdg.) 、(pbk.)等、装丁を表す版表示に該当する語句が付記されていることもあります。
その他、1つの出版者が出した出版物が複数の出版地に対応して複数のISBNを持つとき、(Berlin)、(New York)、(Tokyo) 等の地名が付記されている場合もあります。
(6)は、(5)のケースと紛らわしいことも多いのですが、いちばん顕著な例としては、予定価格であることを示す "est." が入っているような場合があげられます。また、紙質の説明である"acid free paper" という語句が入っていることもあります。
《対応》(5)のような場合は、ISBNの説明語句であることを示す:(コロン)を前に付けて、VOLフィールドに転記するようにしてください。
(6)のような場合には、原則としてその語句をVOLフィールドから削除しますが、例えば、"alk. paper"というような(紙質)表示が、 "hardcover"等の装丁表示の代用として機能し、 "pbk." 等の装丁表示と並び立つような形で表示されている場合もあります。このような場合は、(5)と同様の扱いでその語句を残しておいてもかまいません。

(7) PTBLフィールドの記録が、目録対象資料上の表示と異なることがある
(8) 親書誌標題の後ろに、出版者、出版地、"series"等が付記されていることがある
(9) サブシリーズ(NCの基準では中位の集合書誌単位にあたるようなもの)が、親書誌標 題の一部として記録されていることがある。また、ISSNが記録されていることがある
(10) 親書誌の要素の一部(例:親書誌の責任表示等)が、< >(リンクされた親書誌ID を埋め込む場所)の後ろに記録されていることがある

《解説》(7)〜(10)について
参照MARCのPTBLフィールドは、LC/MARCのシリーズエリアのタグのデータを機械的に埋め込んで作成されています。AACR2Rでのシリーズエリアの規定の情報源と、NCの親書誌の規定の情報源は、前号のニュースレターでも述べましたとおり、完全に一致する訳ではありません。また、LC/MARCのシリーズエリアのタグは一種類ではなく、責任表示を付けた形、シリーズとしての統一標目形、ISSNを記録するためのサブフィールドを持つタグ等の複数のバリエーションがあります。
《対応》 これらの基準の相違やタグの種類のバリエーションを判断した上で参照MARCを作成することは、システム的には困難です。参照MARCのPTBLフィールドについては、NCの基準に合った形で作成されているかどうかを確認し、必要な修正を行った上でリンクを形成するようにしてください。この確認が慎重に行われない場合には、多数の親書誌が重複するという事態も発生します。データベースの品質向上のためにも、御注意ください。

(11) ALフィールドで、日本人名がAACR2の標目形になっている

《対応》 NCでは著者名典拠ファイルは和洋共通です。日本人名については、「日本目録規則1987年版改訂版」の標目形に修正してください。AACR2形の標目は、著者名典拠レコードのSFフィールドに、*(アスタリスク)を前に付けた形で参照形を作成することになっています。

(12) 会議名の回次、年次、開催地も標目の一部として変換されている

《対応》 回次等は「その他の情報」として、< >の後ろに記録してください。

(13) UTLフィールドの値が、NCの基準に合致していない

《対応》 NCでは、当面、統一書名典拠レコードの作成範囲を、無著者名古典、聖典及び音楽作品に限定しています。参照MARCに、これら以外のものが統一書名標目として記録されている場合は、リンク形成は行わず、フィールドを削除してください。
ただし、原書名等、VTフィールドに記録することが可能なものはVTフィールドに移してください。

(14) YEAR(刊年)フィールドの2番目の値が、刊行終了年以外になっていることがある

《解説》 LC/MARCの当該タグのデータを機械的にYEARフィールドに埋め込んでいるため、著作権登録年や頒布年等が刊年2として記録されてしまうことがあります。
《対応》 YEARフィールドの刊年2は、複数の出版物理単位からなる刊行物の刊行終了年を記録すべき個所ですから、1冊本のYEARフィールドにおいては本来、主たる刊年のみを残して、余分なものは削除することになります。

(15) TXTL(本文の言語コード)フィールドが空白であることが多い

《対応》 適切な言語コードを、なるべく記録するようにしてください。

(16) CIPレコードの流用に関する注意事項

《解説》 CIPレコードとは、出版物が実際に刊行される前の情報を基に作成された目録情報です。出版年、形態的事項等が、目録対象資料現物と一致していない場合があります。
《対応》 参照MARC中のCIPレコードは、PHYSフィールドのデータが p,cm という単位記号のみであるのが特徴です。現物どおりの形態的事項を記録してください。
出版年、著作権登録年も微妙に現物と相違している場合がありますので、PUBフィールド、YEARフィールドについても御注意ください。

(17) 予備的レコード(preliminary)の流用に関する注意事項

《解説》 完全なMARCレコードを作成する前に予備的に入力された書誌レコードです。
ALフィールドがほとんど作成されていないこと、PHYSフィールドにページ数のみしか記録されていないこと、NOTEフィールドが"PRIORITY 2"といった表示のみであること、CLSフィールドが"IN PROCESS" となっていること等が特徴です。
《対応》 不完全な書誌レコードですから、上記フィールドだけでなく、書誌レコード全般にわたって、目録対象資料と照合し、必要な修正を加えることが必要です。

(18) ミニマルレコードの流用に関する注意事項

《解説》 LC/MARC中の簡略書誌レコードのことです。参照MARC中では、CLSフィールドが"MLCS" 等となっていること、REMフィールド中の\008のところに||||||||||||が多数入っていること等以外は完全レコードと見分けにくいのですが、ALフィールドがAACR2Rの主標目形1つ分しか作成されていない場合が多いこと、注記が不完全であること等、NCの基準に合わない部分があります。
《対応》 特にALフィールドについては、目録対象資料と照合して、必要なものについては、参照MARCになくても作成するようにしてください。

(19) 親書誌レコードの流用全般に関する注意事項

《解説》 上記の各所、特にPTBLフィールドに関する個所で述べたことと重なりますが、参照MARCの親書誌レコードは、LC/MARCのシリーズエリアを基にして作成されており、NCの親書誌の基準と合致しない部分があります。また、コードブロック等、変換されずに空白になっているフィールドが多数あります。
《対応》 親書誌の重複を避けるため、参照MARCから親書誌レコードを新規作成する場合には、NC中に既に作成されている親書誌レコードがないかどうかを十分に確認したうえで、慎重に行ってください。また、上で述べたとおりデータが不十分ですので、目録対象資料と照合して、データを豊富にする方向でレコードを作成してくださるようお願いします。