オンライン・システム・ニュースレター No.53 (1995.12.20)


AACR2の改訂について(3)


引き続きAACR2の改訂による主な変更点を紹介します。

今回は,標目に関わる章のうち,第22章 個人標目,第23章 地名,第24章 団体に対する標目を取り上げます。

第22章  個人標目

  (注:ここでは「英米目録規則第二版日本語版」にならい,nameには「名前」,given 
   name, forename 等 "姓名" の名に当たるものには「名」の語を用いている) 

22.2 種々の名前からの選択

22.2B 筆名   (AACR2 22.2C) 

22.2B1    (AACR2 22.2C1)  一つの筆名
    改訂内容:「またはその個人が参考情報源において1つの筆名で頻繁に特定されてい
      る場合」を削除


22.2B2-B4 (AACR2 22.2C2-C4) 
  改訂内容:複数の筆名,若しくは本名と筆名を用いている個人について,その名前が
            頻繁に用いられているかどうかを標目の選択の基準とする方法を変更
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2      頻繁に用いられる名前があればそれを選択する。(C2) なければ,│
    │              記述対象に表示されている名前を選択し,それぞれの名前を参照で│
    │             関係づける(C3)                       │
  │       同じ著作でも版によって異なった名前が用いられている場合や,1│
  │       つの版に複数の名前が表示されている場合は,その著作に対し最も│
    │           頻繁に用いられている名前を,すべての版に対して選択する。容易│
  │       に決めかねるときは最新の版に表示されている名前を選択する。他│
  │       の名前から固有名+タイトル形の参照を施す(C4)        │
   │          ↓                          │
   │AACR2R88 B2  分野によって名前を使い分けている場合は,それぞれの分野で用い│
    │              ている名前を選択する                    │
  │     B3  現存著者に対しては,その著作に表示されている名前を選択する │
   │           同じ著作でも版によって異なった名前が用いられている場合や,1│
  │       つの版に複数の名前が表示されている場合は,その著作に対し最も│
  │       頻繁に用いられている名前を,すべての版に対して選択する。容易│
  │       に決めかねるときは最新の版に表示されている名前を選択する。他│
  │       の名前から固有名+タイトル形の参照を施す          │
  │     B4 B2, B3に該当しない場合は, 1その個人の著作のより最近出版され│
    │              た版, 2その個人についての評論的著作, 3その他の参考情報源に│
  │        よって(この優先順位で),その個人を特定する名前を選択する。│
    │        他の名前から参照を施す                  │
  └─────────────────────────────────────┘

      *例1)AACR2(C2):
                        Lewis Carroll 
                Charles Lutwidge Dodgsonは選択しない
          AACR2R88(B2): 
                      ┌Charles L. Dodgson (数学,論理学に関する著作に用いる本名) 
                 └Lewis Carroll (文学的著作に用いる筆名)
           著作に応じていずれかを標目とする

          AACR2(C2):
                        Erle Stanley Gardner
                          A.A. Fair, Charles J. Kenny は選択しない

          AACR2R88(B2): 
              ┌C. Day-Lewis (詩,評論的著作に用いる本名) 
                └Nicholas Blake ( 探偵小説に用いる筆名) 
             著作に応じていずれかを標目とする

            例2)AACR2R88(B3): 
            ┌Ed McBain 
               └Evan Hunter (ともに同じ人物が用いている筆名)
            著作に応じていずれかを標目とする

            ┌Kingsley Amis (ほとんどの著作で用いている本名)
            └Robert Markham (1つの著作に用いている筆名) 
            著作に応じていずれかを標目とする

         例3)AACR2R88(B3): 
                  The rising tide / M.J. Farrell
           (2つの版が知られており,この後刊行された版はMolly Keaneの
                    名前で出版された) 
           Molly Keaneを標目のために選択する
           M.J. Farrellを用いて固有名+タイトル形の参照を作成する

                  Cut thin to win / Erle Stanley Gardner as A.A. Fair 
          (2つの版が知られており,一方はA.A. Fairの名前で出版された。
          上記は後に出版された版である)
           Erle Stanley Gardnerを標目のために選択する
           A.A. Fairを用いて固有名+タイトル形の参照を作成する

      例4)AACR2R88(B4): 
                        R.S. Surtees
                 Author of Mr. Sponge's sporting tourは選択しない

(参考)複数の筆名,若しくは本名と筆名を用いている個人に対する標目の選択を流れ図
     としてみると…

        AACR2                  AACR2R

   ┌───────┐           ┌───────┐
   │複数の筆名又は│           │複数の筆名又は│
   │本名と筆名を │           │本名と筆名を │
   │用いている  │           │用いている  │
   └───┬───┘           └───┬───┘
   ────┴──────         ────┴──────
  │頻繁に用いている名前が│       │分野によって名前を  │
  │ a.ある      │       │ a.使い分けている │
  │ b.ない      │       │ b.使い分けていない│
   ─┰───────┰─         ─┰───────┰─
   a┃      b┃        a┏━┛       ┃b
    ┃   ────┸────  ┌──┸──┐     ─┸─────
┌───┸─┐│同じ著作に表示  │ │その分野で│    │著者が現代の人│
│それを選択││されている名前は │ │用いている│    │ a.でない │
└─────┘│ a.同じ    │ │名前を選択│    │ b.である │
       │ b.版によって │ └─────┘     ─┰───┰─
       │  異なっていたり│    22.2B2 ┏━━━━━┛   ┃b
       │  1つの版に複数│         ┃a    ────┸────
       │  あったりする │  ┌─────┸───┐│同じ著作に表示  │
        ─┰─────┰─   │より最近刊行された││されている名前は │
     a┏━━┛    b┃    │著者についての評論││ a.同じ    │
      ┃    ────┸─── │その他の参考情報源││ b.版によって │
  ┌───┸─┐ │その著作に頻繁に││ によって1つの ││  異なっていたり│
  │その著作に│ │用いられている ││ 名前を選択   ││  1つの版に複数│
  │表示されて│ │名前が     │└─────────┘│  あったりする │
  │いる名前を│ │ a.ある   │   22.2B4      ─┰────┰──
  │選択   │ │ b.容易にわか│      ┏━━━━━━┛    ┃b
  └─────┘ │  らない   │     a┃     ──────┸─
    22.2C3    ─┰────┰─    ┌──┸──┐ │その著作に頻繁に│
          a ┃    ┃     │その著作に│ │用いられている │
       ┏━━━━┛   b┃     │表示されて│ │名前が     │
    ┌──┸──┐      ┃     │いる名前を│ │ a.ある   │
    │それを選択│ ┌────┸──┐  │選択   │ │ b.容易にわか│
    └─────┘ │最新の版に表示│  └─────┘ │  らない   │
      22.2C4   │されている名前│    22.2B3    ─┰───┰──
            │を選択    │      ┏━━━━━┛   ┃b
            └───────┘      ┃a    ┌───┸─┐
               22.2C4       ┌──┸──┐  │最新の版に│
                        │それを選択│  │表示されて│
                        └─────┘  │いる名前を│
                          22.2B3    │選択   │
                                 └─────┘
                                    22.2B3  

22.2C 改名 (AACR2 22.2B)

22.2C1  (AACR2 22.2B) 
  改訂内容:筆名を用いている個人は除くという限定句を追加


22.3 同一名の種々の形からの選択

22.3C ローマ字以外の文字で書かれている名前

22.3C2別法(脚注4)  姓のもとに記入する個人
  改訂内容:ヘブライ語,イディッシュ語を用いる個人についての例外規定の適用範囲
            の若干の変更
   ┌─────────────────────────────────────┐
   │AACR2     20世紀のパレスチナ・イスラエルで生活し,当該言語を用いている│
   │              個人の場合は,パレスチナ・イスラエルで刊行された目録対象資料│
  │              に表示されているローマ字形を優先的に選択する        │
  │          ↓                          │
  │AACR2R88   当該言語を用いていて,よく知られた英語の参考情報源にはその名│
   │          前が載っていない個人の場合は,その著作に表示されたローマ字形│
   │              を選択する                         │
  └─────────────────────────────────────┘


22.5 姓のもとの記入

22.5A 通則

22.5A1  (AACR2 22.5A) 
  改訂内容:姓がイニシアルで表されている場合の記入に関する段落の追加
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2R88   姓がイニシアルで表されていて,名前の少なくとも1つの要素がフ│
  │       ルスペルで綴られている場合は,姓を表すイニシアルのもとに記入│
   │       する                            │
  └─────────────────────────────────────┘
     *例)G., Michael

22.9 その他の名前の記入
     (AACR2, AACR2R88では,古代ローマ人の名前の記入という見出し。AACR2Amen.93
     では,古代ローマ人の名前については,22.9A に規定されている) 

22.9B アイスランド語の名前

22.9B1  (AACR2 22.5C6, 22.8A, 22.8C)
    改訂内容:アイスランド人の名前の記入について,独立した規定を新設。それまでは
       原則としてはスカンジナビア諸語の1つとして規定されていた)
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2     スカンジナビア諸語を用いる個人の名前が複合姓のように見えるが│
  │       確かであるときは,名前の最後の部分のもとに記入し,先行部分か│
  │       ら参照する(5C6)                       │
  │       姓も称号も含まないアイスランド語の名前で,土地を示す句が父称│
  │       の次にあるときは,それを名前の不可分の部分として扱い,父称か│
  │       ら参照する(8A,8C)                      │
  │           ↓                          │
  │AACR2Amen.93 アイスランド語の名前は,最初の名のもとに記入し,その他の名,│
  │       父称,家族名とコンマなしで続ける。土地を示す句が名・父称・家│
  │       族名のあとにあるときは,それを名前の不可分の部分として扱う。│
  │       父称,家族名から参照する                  │
  └─────────────────────────────────────┘
     *例)Halldor Laxness
         名     家族名
         χ Laxness, Halldor 

22.10 イニシアル,文字,数字のもとの記入

22.10A    (AACR2 22.10) 
  改訂内容:イニシアル,個別文字(separate letters)や数字から成る名前で,記号な
            どが含まれる場合の扱いの一部変更
   ┌─────────────────────────────────────┐
   │AACR2        標目に含めて記入する                    │
   │          ↓                          │
  │AACR2Amen.93 複数の文字から成る略語などの一部であるときは標目に含めるが,│
    │              1文字のイニシアルの後に続くものは省略する         │
    └─────────────────────────────────────┘
      *例)E. B―s 
             χ B―s, E. 
              Lettre sur la Grece 
       しかし,
              名前がabbe de B...と表示されているとき
         AACR2:   B..., abbe de
          Amen.93: B., abbe de
       名前がJ*** W*********と表示されているとき
         Amen.93: J.W. 
            χ W., J. 
              Narrative of a command pensioner


22.11 語句のもとの記入

22.11A, 22.11B
     (AACR2 22.11B)
    改訂内容:名と語句・呼称から成る名前の記入方法の変更
  ┌─────────────────────────────────────┐
   │AACR2       名のもとに記入し,名以外の語は付記事項として扱う。適宜表示さ│
  │       れたとおりの名前から参照する                │
  │           ↓                          │
  │AACR2R88   表示されたとおりの語順で記入し,名, 先行語句の形の参照を施す│
   │       ただし,名以外の語が親族名称等の呼称や地位・役職名等であると│
  │       きは,名のもとに記入し,名以外の語は付記事項として扱う。表示│
  │       されたとおりの名前から参照を施す              │
  └─────────────────────────────────────┘
     *例)AACR2:  Richard, poor 
                    χ Poor Richard 
                AACR2R: Poor Richard
                    χ Richard, poor
       ただし,
           Jemima, Aunt
          χ Aunt Jemima


同一名を区別するための付記事項
22.18 綴りのより詳しい形
     (AACR2では,同一名を区別する付記事項としては,年月日などと区別語のみを
     設けており,名前への付記事項一般の1項として,イニシアルを含む名前への
     完綴形の付記を規定している(22.16))

22.18A   (AACAR2 22.16)
  改訂内容:完綴形などを付記するのは,名前の一部又は全部がイニシアルで表示され
            ている場合に限らなくなった。また,付記しない場合を明示。
  ┌─────────────────────────────────────┐
    │AACR2     名前の一部又は全部がイニシアルで表示されており,完綴形がわか│
  │              っていて,同一名の区別に必要なときは,その完綴形を付記する │
  │              任意で,区別の必要がないときも,イニシアルを含む名前にこのよ│
  │              うな付記事項を記載してもよい                │
  │          ↓                          │
  │AACR2R88   規定に従って標目とした形よりも詳しい形がわかっていて,同一名│
  │       の区別に必要な場合は,その詳しい形を付記する。(標目形の一部│
  │       がイニシアルで,完綴形を付記するというのがよくあるケースだと│
  │       思われるが,知られている名・姓・イニシアルが規定の標目形には│
  │       含まれていないというケースもある)             │
  │       任意で,区別の必要がないときもこのような付記事項を記載しても│
  │       よいが,                          │
  │        1)名を含む標目形に,含まれていない名           │
  │        2)標目形に含まれていない部分のイニシアル         │
  │        3)姓を含む標目形に,含まれていない姓           │
  │       を付記してはならない                    │
  └─────────────────────────────────────┘
     *例) ┌Murray, Gilbert (Gilbert George Aime) 
        └Murray, Gilbert (Gilbert John)

         ┌Johnson, Barbara (Barbara A.) 
        └Johnson, Barbara (Barbara E.) 

         ┌Miller, Mrs. J. (Anna)
        └Miller, Mrs. J. (Dorothea)

         ただし,区別の必要がないとき,
        ┌Dickens, Charlesであって
        └Dickens, Charles (Charles John Huffam)ではない


特定言語の名前のための特別規則

22.26 インドネシア語の名前

22.26C 最初の要素のもとに記入する名前

22.26C1  (AACR2 22.26C1, 22.26C2)
  改訂内容:最初の要素のもとに記入される名前の種類の追加
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2R88   AACR2 の22.26C1, C2 をそれぞれ22.26C1 中のa), b)とし,c)とし│
  │       て,「最後の要素として,イニシャルや略語を含む名前」が追加さ│
  │       れた。                           │
  └─────────────────────────────────────┘
     *例)Djakaria N.E. 
           χ E., Djakaria N.


22.27 マライ語の名前

22.27A 適用範囲

22.27A1  (AACR2 22.27A)
  改訂内容:適用範囲から除外されていたイバン人,ケダザン人等マレーシア原住の民
      族起源の名前にも,22.27 の規則を適用することになった。
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2     マレーシア,シンガポール,ブルネイの住民の名前で,マライ語以│
  │         外の,イバン人,ケダザン人,インド人,中国人など,その他の民│
    │       族から出た名前は除する                   │
   │          ↓                          │
  │AACR2R88   この規則は,イバン人,ケダザン人等,マレーシア原住の他の民族│
    │              起源の名前にも適用する。マレーシア,シンガポール,ブルネイに│
  │       住んでいる個人の名前でも,マレー発祥でない民族(インド人,中│
  │       国人等)起源の名前は,その名前の言語に対する規則に従って記入│
  │       する。                           │
  └─────────────────────────────────────┘


第23章 地名

23.4 地名への付記事項

23.4B 通則

23.4B1  (AACR2 23.4B) 
  改訂内容:付記事項を記録する場合として,同一名称を区別する必要があるときという
      限定がなくなった。それに伴い,任意規定が削除された。
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2       2以上の同一地名を区別するために,より広い地名を付記する。 │
  │       任意に,区別の必要がない場合に適用してもよい        │
  │          ↓                          │
  │AACR2R88      地名には,23.4C-23.4F に指示に従って,より広い地名を付記する│
  └─────────────────────────────────────┘


23.4C オーストラリア,カナダ,マレーシア,アメリカ合衆国,ソビエト連邦,ユ
    ーゴスラビア内の土地
     (AACR2では,23.4Cはオーストラリア,カナダ,合衆国のみについて規定し,
          マレーシア,ソ連,ユーゴスラビアは別に23.4Eで規定されていた) 

23.4C1, 24.4C2
     (AACR2 23.4C, 23.4E)
  改訂内容:上記の国内の地名について1項目にまとめ,構成国や州等自体についても
         規定を明示
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2         これらの国の構成国,州,准州等(state, province, territory,  │
   │            etc.) の中にある場所については,その場所の位置する構成国等の│
  │          名を付記する                        │
   │           ↓                         │
   │AACR2R88     構成国,州,准州等の名称には付記事項を記載しない。構成国等の│
  │           中にある場所については,その場所の位置する構成国等の名称を付│
  │              記する                           │
  └─────────────────────────────────────┘
        *例)Northern Territory
        Darwin (N.T.) 


23.4D 英国諸島の土地

23.4D1, 23.4D2
     (AACR2 23.4D1, 23.4D2, 23.4D3)
  改訂内容:英国諸島内の地名について,県名等を付記する規定を変更
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2     英国諸島内の県,地域,島域名には,England, Ireland, Northern│
  │       Ireland, Scotland, Walesを適宜付記する(D1)         │
  │          イングランド,ウェールズ,エール共和国にある場所については,│
    │              その場所の位置する県名を付記する。スコットランドにある場所に│
    │              ついては,地域名か島域名を付記する。県名等が位置関係を示す句│
    │              のみから成る場合 (West Midlands, Western Isles,etc.)は,さら│
    │              にEnglandかScotlandの語を付記する。北アイルランドにある場所│
    │              については,Northern Irelandを付記する(D2)         │
    │        連合王国内の現存しない法域名をそのまま持っている場所について│
    │              は,法域であったときその場所が所属していた地理的県名を付記す│
   │       る(D3)                           │
  │          ↓                          │
    │AACR2R88      England, the Republic of Ireland, Northern Ireland, Scotland│
    │              Wales, the Isle of Man, the Channel Islands には付記事項を記│
    │              載しない(D1)                        │
    │              これらの地域内にある場所については,その場所が位置する上記の│
    │              地名を付記する                       │
  └─────────────────────────────────────┘
     例)*┌AACR2:    Waterville (Kerry)
        └AACR2R88: Waterville (Ireland)
        ┌AACR2:    Bangor (Gwynedd)
        └AACR2R88: Bangor (Wales)
        ┌AACR2:    Pinner (Middlesex) (1934年までMiddlesex県のパリッ
                │            シュ,現在はロンドン区ハローの一部) 
        └AACR2R88: Pinner (England)

23.4F 付記事項が1つでは不十分な場合
     (AACR2では23.4Jにこの見出しが付されていたが,改訂後その内容は23.4F1に) 

23.4F2  (AACR2 23.4F, 23.4G)
  改訂内容:都市内,島内等の地名に付記事項を付す場合を,その場所の特定に必要と
      思われる場合に限定
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2       島名・群島名と結びついて用いることの多い島内の地名には,その│
  │       島名・群島名を付記する                   │
    │           都市内の地名にはその都市名を付記する。都市名+土地名形の参照│
    │           を施す                           │
  │          ↓                          │
   │AACR2R88     (都市内の共同体など)場所を特定するのに必要と思われる場合は│
  │       規定によって付記したより広い地名の付記の前に,適宜それよりも│
  │       狭い地名を更に付記する                   │
  └─────────────────────────────────────┘


第24章 団体に対する標目

24.4 付記事項

24.4C 同一又は類似の名称を持つ2以上の団体

 AACR2Amen.93により, 団体に付記する地名について,団体の所在地が英国諸島内にある
か外にあるかで異なっていた取扱いが削除された。その他の改訂もあり,現行のAACR2 の
条項番号は,「日本語版」刊行時と異なり,次のとおりとなっている。
   ┌────────────────────────────────────┐
    │AACR2Amen.93    AACR2R88          AACR2(78, 79R)           │
    │ 24.4C1通則─────24.4C1────── 24.4C1 通則           │
    │ 24.4C2国名,... ──24.4C2────── 24.4C2 国名,州名など      │
    │               ┌24.4C3────── 24.4C3 地名           │
    │ 24.4C3地名←───┤24.4C4────── 24.4C4 英国諸島外に位置する団体│
   │                └24.4C5────── 24.4C5 英国諸島に位置する団体 │
   │ 24.4C4法域名... ──24.4C6────── 24.4C6 法域名又は所在地名の変更│
   │              削除              24.4C7 地名を含む団体名    │
    │ 24.4C5機関名────24.4C7────── 24.4C8 機関名         │
   │ 24.4C6創設年────24.4C8────── 24.4C9 創設年           │
    │ 24.4C7その他の... ─24.4C9────── 24.4C10その他の付記事項      │
   └────────────────────────────────────┘
  ただし,現行の24.4C4, C5-C7 は,内容的には改訂前の24.4C6, C8-C10からの大きな変
更はない。


24.4C1  通則
  改訂内容:区別の必要がないときに付記事項を付す場合の変更
   ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2       任意規定として,団体間の区別をする必要がなくても,付記事項を│
  │          記載してもよい                       │
  │          ↓                          │
   │AACR2R88      区別の要不要にかかわらず,団体の性質や目的を理解する手掛か  │
    │              りとなるならば,付記事項を記載する             │
  └─────────────────────────────────────┘


24.4C3  (AACR2 24.4C3-C5, C7)   地名
  改訂内容:団体名に付記する地名について,当該団体の所在地ではなく,その団体名
            とよく結び付けられている地名を選択することになった。また,その団体が
            英国諸島以外にあるか(AACR2 24.4C4),英国諸島内( 同 24.4C5)にあるか,
            また,法域名とその他の地名との区別をする必要がなくなった。さらに,団
            体名に地名が含まれている場合その地名の付記を省略する規定(C3 第2段落
            及び C7)が削除された。
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2(C3)   C2で規定した以外の団体には,団体が位置する地名,又は一般にそ│
  │       の団体名と結びつけられている地名を付記する。ただし,機関名,│
   │       創設年等,又はその他の指示語の方がより識別に役立つ場合はこの│
   │       限りではない                        │
  │       団体標目に地名を付記する際に,より広い地理的実体名が団体名の│
  │       一部にあるか,又は団体名にその意味が含まれている場合は,より│
  │       広い地名の付記を省略する。                 │
  │          ↓                          │
   │AACR2Amen.93  C2で規定した以外の団体には,〔英国諸島の内外の別なく〕法域で│
    │     (C3)     あるかどうかに関わらず,〔団体が位置するのではなく〕その団体│
   │       と最もよく結び付けられている地名を付記する。ただし,機関名,│
   │       創設年等,その他の付記事項の方がより識別に役立つ場合はこの限│
   │       りではない                         │
  │       1つの付記事項では不十分な場合は,〔法域名に関わらず〕地名の│
  │       前に,その地域内の地名をさらに付記する           │
  └─────────────────────────────────────┘
     *例)Amen.93:
                ┌Salem College (Salem, W. Va.) 
         └Salem College (Winston-Salem, N.C.) 

   ┌─────────────────────────────────────┐
   │AACR2(C4)   英国諸島以外に位置する団体という条項が設けられていた。   │
  │           ↓                          │
  │AACR2Amen.93  条項削除。24.4C3を適用する                  │
  └─────────────────────────────────────┘
          *例)AACR2(C4), Amen.93ともに: 
        ┌St. John's Church (Georgetown, Washington, D.C.)
        └St. John's Church (Lafayette Square, Washington, D.C.)

         AACR2(C4):Ecole francaise de papeterie (Grenoble) 
           (この学校はGrenoble郊外の法人格のないSt. Martin d'Heresに位置す
           る)
                Amen.93(C3):Ecole francaise de papeterie (Grenoble, France) 
            (この学校はGrenoble郊外のSt. Martin d'Heresにあるが,Grenoble
           とより密接に結びついている) 

   ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2(C5)   英国諸島に位置する団体という条項が設けられていた。     │
    │           ↓                          │
    │AACR2Amen.93 条項削除。24.4C3を適用する。                │
  └─────────────────────────────────────┘
      *例)AACR2(C5):St. Barnabas Church of England School (Bradwell)
        Amen.93(C3):  St. Barnabas Church of England School (Bradwell,
                                England)
        AACR2(C5):
         ┌St. Peter's Church (Hook Norton)
         └St. Peter's Church (Sudbury)
                Amen.93(C3):
         ┌St. Peter's Church (Hook Norton, England) 
         └St. Peter's Church (Sudbury, England) 

         AACR2(C5):
         ┌Red Lion Hotel (Newport, Gwent) 
        └Red Lion Hotel (Newport, Isle of Wight) 
        Amen.93(C3):
         ┌Red Lion Hotel (Newport, Wales) 
        │Red Lion Hotel (Newport, Isle of Wight, England)
        └Red Lion Hotel (Newport, Shropshire, England) 

   ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2(C7)   地方地域名を含む団体名には,それと同一の地名を付記しない。2│
  │       以上のそのような名称の区別が必要な場合は,団体が位置する国名│
  │       や州名などを付記する。                   │
  │          ↓                          │
  │AACR2R88      この項削除。したがって,そのような場合でも,団体名に含まれる│
  │       地名を付記する。                      │
  └─────────────────────────────────────┘
    *例)AACR2:
       ┌Washington County Historical Society (Ark.) 
              └Washington County Historical Society (Md.)
       AACR2Amen.93(C3): 
              ┌Washington County Historical Society (Washington County, Ark.)
              └Washington County Historical Society (Washington County, Md.) 


24.5 省略

24.5A1 冒頭の冠詞

24.5A1  (AACR2 24.5A) 
  改訂内容:団体名の冒頭の冠詞を省略しない場合の変更
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2     文法上必要ならば省略しない                 │
  │          ↓                          │
  │AACR2R88    個人名や地名の一部であるときは省略しない          │
  └─────────────────────────────────────┘
     *例)AACR2:   Der Blaue Adler (Association)
             Det Norske Nobelinstitutt
         AACR2R88:Blaue Adler (Association)であって
                  Der Blaue Adler (Association)ではない
                        Norske Nobelinstituttであって
                          Det Norske Nobelinstituttではない
                       ただし,
                        Le Corbusier Sketchbook Publication Committee
                        Los Angeles Symphony (Orchestra) 


24.5C 法人組織を示す用語とその他の用語

24.4C2
  改訂内容:冒頭にある法人組織等を示す用語が必要な場合にそれを末尾に転置すると
      いう規定から,「文法上可能ならば」という限定句を削除


下部組織と関連団体
24.13 従属的に記入する下部組織と関連団体

24.13A  (AACR2 24.13) 
  改訂内容:副標目として従属的に記入する下部組織・関連団体として挙げられた種別
      のうち,種別3.を具体的な表現で明確化し,種別4.を追加 (種別4, 5はそれ
         ぞれ種別5, 6となったが,内容は変わらない) 
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2         種別3. 他組織がその下部組織の名称として用いている名称・用い│
    │                    る可能性のある名称の団体               │
  │          ↓                          │
    │AACR2R88     種別3. 一般的名称,地理・時間的区分を表すだけの名称,数字や│
    │                    文字で親組織の下部組織であることを示しているだけの名称│
    │          の団体                        │
  │              種別4.  団体であることがわからないような名称の団体     │
  └─────────────────────────────────────┘
      *例)Canadian Jewish Congress. Central Region
             (名称はCentral Region)  (種別3.) 
           U.S. Customs Service. Region IX
             (名称はRegion IX)  (種別3.) 
        British Library. Collection Development 
         (名称はCollection Development)  (種別4.) 


政府機関と官職
24.18 従属的な標目形とする政府機関

24.18A  (AACR2 24.18) 
  改訂内容:副標目として従属的に記入する政府機関として挙げられた種別のうち,種
      別3.を具体的な表現で明確化し,種別4.を追加 (種別4-10は順次種別5-11と
            なったが,内容は変わらない) 
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2       種別3. 別の機関が用いている名称・用いる可能性のある名称の機│
  │          関                          │
  │          ↓                          │
    │AACR2R88     種別3. 一般的名称,地理・時間的区分を表すだけの名称,数字や│
    │                    文字で政府・政府機関の下部組織であることを示しているだ│
  │          けの名称の機関                    │
    │        種別4. 団体であることがわからないような名称の機関     │
  └─────────────────────────────────────┘
      *例)United States. National Labor Relations Board. Library
              (名称はLibrary) (種別3.) 
           United States. General Services Administration. Region 5
              (名称はRegion 5)  (種別3.) 
        Canada. Ocean and Aquatic Sciences
         (名称はOcean and Aquatic Sciences)  (種別4.) 


24.26 国際機関及び政府間機関への代表団

24.26A    (AACR2 24.26) 
  改訂内容:副標目とした代表団・委員会などの名称から省略する語句を新規に規定
  ┌─────────────────────────────────────┐
  │AACR2R88      代表団・委員会などを国に対する標目の副標目として記入するとき│
    │              その副標目から(名詞形の) 政府名やその略語を省略する(省略に│
    │              よって誤解が生ずる場合はこの限りではない) 規定,会議・会合へ│
    │              の代表団等の名称に回次,日付,開催地が含まれるとき,これを省│
    │              略して標目の末尾に転置する(24.7Bを見よ)規定の追加     │
  └─────────────────────────────────────┘
      *例)AACR2:   Mexico. Delegacion a la Conferencia Interamericana de
                           Consolidacion de la Paz, Buenos Aires, 1936
                AACR2R88:Mexico. Delegacion a la Conferencia Interamericana de
                           Consolidacion de la Paz (1936 : Buenos Aires, Argentina) 

                AACR2:   Germany. Reichskommission fur die Weltausstellung in 
              Chicago, 1893
        AACR2R88:Germany. Reichskommission fur die Weltausstellung in 
              Chicago (1893)