オンライン・システム・ニュースレター No.60 (1997.09.30)


新CAT/ILLシステムの概要


平成8年度に開催した新目録所在情報サービス全国説明会では,主に新システムの考え方,新システムで使用するプロトコルCATPなどについて説明しました(配布資料は,本誌No.59付録に掲載)。しかしながら,新ILLシステムについてはまだ仕様が明確でなかったこともあり,多くの説明を行っておりませんでした。

今回は,この説明会以降に確定した新ILLシステムの概要を紹介します。次号以降,新ILLシステムのより詳細な仕様等を公開してゆく予定です。

新ILLとはなんですか?

  NACSIS-ILLの新しいバージョンです。通信手順には新CATと同様CATPというプロトコルを採用し,図書館とNACSISとの間では画面ではなくデータそのものを交換するようになります。

 CATPの考え方については本誌No.59付録を参照してください。

新ILLに変更するメリットは何ですか?

 新ILLクライアント(ユーザ側のシステム)の設計の自由度が高まりますので,今お使いのシステムで不便な部分を解決したり,新しい機能を追加したりすることができます。例えば,以下のようなことです。
  1) 学内ILLシステムとNACSIS-ILLをシームレスに操作する
2) 申し込まれた資料を学内システムで再検索する
  3) 受付,発送,確認などを一括処理する
  4) メールやWWW画面で学内からのリクエストを受け付ける
  5) 電子的なドキュメントデリバリでの操作やデータをILLレコードと連動させる

どうしてそのようなことが可能になるのですか?

 図書館とNACSISとの間はデータそのものを交換するようになりますので,現行の仮想画面転送方式では難しかった画面フリーの動きが可能になります。
レコードの検索には新CATと同様SEARCHメソッドやRETRIEVEメソッドを使いますが,ILLに特有のレコードの状態を変えるという操作を実現するため,別にSERVERPROCEDURECALL(SPC)というメソッドを用意しました。従来のOrder「依頼」,Send「発送」のようなコマンドに相当する操作は,このSPCのRequest-Header内に指定することで実現されます。

新ILLになるとILL業務で何か変わるのですか?


 業務自体の流れはかわりません。新ILL対応のクライアントを使っても操作するデータベースは現行ILLと同じですので,現行ILLを使った依頼は新ILLでも受付られますし,逆も可能です。

 レンディングポリシーや協力協定や料金決済方法にかかわることは,引き続きシステムとは切り離されています。新ILL移行のためにポリシーを特に見直す必要もありません。

新ILLになってできなくなることはありますか?


 いままでセンター側で行ってきた機能のうちいくつかは,クライアントで実現するべき機能となります。具体的には,日付(依頼日や受付日等)のシステム付与,料金自動計算,督促メッセージの表示等です。これらについては新ILLシステムクライアント作成のガイドライン(近日WWW上に公開,次号掲載予定)や実装仕様で規定します。

どうやったら使えるのでしょう?

利用には新ILL対応のクライアントを導入する必要がありますので,各メーカーにお問い合わせください。新ILLへ一斉に切り替えるのではなく,段階的に移行する選択肢もあります。

(相互協力係)