オンライン・システム・ニュースレター No.69 (1999.12.20)


総合目録データベースの品質管理事例集(その4: 雑誌編A)


品質管理事例集,雑誌編の2回目は,雑誌所蔵レコードについて取り上げます。

この事例集の中では,次のような略称で参照先の資料を示します。

基準3 → 目録情報の基準.第3版
検索編4 → 目録システム利用マニュアル.検索編.第4版
登録編4 → 目録システム利用マニュアル.登録編.第4版
CM → 目録システムコーディングマニュアル
抜刷集 → オンライン・システムニュースレター抜刷集
NL → オンライン・システムニュースレター

2. 所蔵レコード

所蔵データを登録しようとして,巻次・年次の記述方法に悩む場合があります。そういった場合の判断方法について,事例を挙げて解説します。

参加館の固有レコードである所蔵レコードは,各館の責任において登録・修正等を行っていただくものです。特に雑誌の場合は,所蔵データの記述が間違っていると,所蔵状況を正しく把握できない等,相互貸借(ILL)業務に様々な支障をきたしてしまいます。正しく記述するよう注意してください。


(1) 巻次が2つ以上ある場合 − 優先すべき巻次は?

登録しようとする雑誌に巻次が複数あり,どれで所蔵を表現すればいいのかわからない。

【例】
所蔵号の表紙 所蔵号の表紙
情報源

所蔵レコードの巻次の記述は,書誌レコードの巻次・年月次(VLYR)フィールドの記述に一致させるのが原則です。よって,資料に複数の巻次がある場合は,書誌レコードの巻次・年月次(VLYR)フィールドで優先して記述されている方を選んで所蔵を表現してください(CM17.2.2 D9.1参照)。

この場合は,「2巻3号」と「通巻7号」の2つの巻次がありますが,書誌レコードでは,通巻より2階層の巻次表示(1巻1号)を優先採用していますので,所蔵も「所蔵巻次(HLV):2(3)」と記入することになります。

(書誌レコード例)(所蔵レコード例)
<AN*******1>
GMD: SMD: YEAR:1993 CNTRY:ja TTLL:jpn TXTL:jpn ORGL:
PSTAT:c FREQ:c REGL:r TYPE:p
TR:情報処理紀要||ジョウホウ ショリ キヨウ
VLYR:1巻1号(1993)-= 通巻1号(1993)- PUB:東京 : 学術情報センター , 1993-
PHYS:冊 ; 21cm
<CA*******1>
HLYR:1993-1993
HLV:2(3)

書誌レコードが初号に基づいて作成されていない場合等は,巻次・年月次(VLYR)フィールドにデータがありません。決められたルール(CM17.2.2 D9.2参照)に従って,どちらの巻次表示が優先されるか判断してください。この際,その巻次の書かれている情報源箇所での優先順位はありません。

関連規則及び関連事例

・複数の巻次表示方式がある場合

−同時に異なる表示形式による巻次が存在する場合は,VLYRフィールドで優先採用した表示方式で所蔵巻次を記入し,VLYRフィールドにイコール以下に記入した別方式やVLYRフィールドに記入しなかった方式による巻次表示方式では記入しない。(→ CM 17.2.2 D9.1)

−以下に,表示方式に対する優先採用の基準を示す。VLYRフィールドに記入が存在しない場合は,本基準に従って複数の表示方式間の優先順位を判定する。

(1) その雑誌固有の巻次表示は他の雑誌と共有する巻次表示より優先

(2) 変遷後に付与された巻次表示は変遷前誌から引き継いだ巻次表示より優先

(3) 2階層の巻次表示は1階層の巻次表示より優先 (→ CM 17.2.2 D9.2)

・巻レベル・号レベル

−記入方式は,実際に目録対象資料上に表示されている表現にかかわらず,巻レベル・号レベルの2階層によるものとする。 (中略)

雑誌の個々の出版物理単位それぞれを識別・順序付けするための記号に対し,何が巻レベル・号レベルに相当するかを一般的に定義することは困難である。そこで,ここでは目録対象資料上の実際の表現に対して記入する上で,「巻レベル」(丸括弧に収めずに記入する)・「号レベル」(丸括弧に収めて記入する)として扱うものの具体例を示すことによって定義に代える。

目録対象資料上での実際の表現

(対応する日本語表現)

記入上でのレベル

巻レベル

号レベル

1階層

号*1
通号 / 号

年次


通号*2

年次




2階層

号 − 分冊
巻 − 号*1
巻 − 号 / 通号
巻 − 月次
巻 − 分冊
年次 − 月次
年次 − 号*1






年次
年次

分冊


月次
分冊
月次

3階層

巻 − 号*1 − 分冊

*3

*1 表示上あるいは実質上,通号である場合を含みます。
*2 通号が変遷前誌から引き継いだものであり,号のほうがその雑誌固有の巻次である場合は,号を採用してください。
*3 号レベル以下のものが全部揃っていない場合,その号レベルは欠号扱いとします。(→CM 17.2.2 D7.1)

(2) 巻次変更 − 途中で巻号表示が消えてしまったら?

「Journal of foreign trade」の巻号表示が,1999年から消えてしまった。今後,どのように所蔵を記述すればよいか。

1998年終号表紙 1998年終号表紙
情報源

(書誌レコード)
<AN*******2>
GMD: SMD: YEAR:1961 CNTRY:us TTLL:eng TXTL:eng ORGL:
PSTAT:c FREQ:a REGL:r TYPE:p
TR:Journal of foreign trade
VLYR:Vol. 1(1961)-
PUB:New York : Chamber , 1961-

Vol.の巻号表示がなくなったので,1999年以降は,年次を巻次に代用せざるをえません。従って,巻次変更となります。巻次変更の場合は,巻次変更の位置にセミコロン「;」を挿入し,巻次変更前後の巻次表示を列記します(CM17.2.2参照)。

この場合は,「所蔵巻次(HLV):38;1999」「所蔵年次(HLV):1998-1998;1999-1999」と記述してください。

また,書誌レコードの巻次・年月次(VLYR)のデータも修正してください。

(書誌レコード例)(所蔵レコード例)
<AN*******2>
GMD: SMD: YEAR:1961 CNTRY:us TTLL:eng TXTL:eng ORGL:
PSTAT:c FREQ:a REGL:r TYPE:p
TR:Journal of foreign trade
VLYR:Vol. 1(1961)-v. 38(1998) ; 1999(1999)-
PUB:New York : Chamber , 1961-
<CA*******2>
HLYR:1998-1998;1999-1999
HLV:38;1999

関連規則及び関連事例

・データの記入及び記入例

−所蔵範囲内で巻次変更がある場合は,巻次変更の位置にセミコロン「;」を挿入し,当初の巻次表示をとっていた期間での所蔵巻次データと,新方式の巻次表示方式による期間での所蔵巻次データを列記する。 (→ CM 17.2.2 D4 )

−巻次変更のセミコロンの位置は,当該書誌のVLYRフィールドでの位置と対応させる。ただし,所蔵範囲外での巻次変更の事実については記入しない。(→ CM 17.2.2 D5)

・巻次変更の判定基準

−以下に,所蔵データ記入にあたって巻次変更扱いとみなす基準を示す。

(1) 従来の巻次表示方式よりも優先順位が上位の巻次表示方式が出現した場合

(2) 複数存在した巻次表示方式のうち,当初採用した巻次表示方式が表示されなくなったために,順位がより下位であった巻次表示方式を繰り上げ採用する場合

(3) 巻次の数値が後退あるいは反復,若しくは極端に飛躍する場合(単なる誤植を除く)

なお,巻次変更と判定した場合,対応する書誌レコードのVLYRフィールドにその記述が存在していないときには,必要な記述を行う。(→ CM 17.2.2 D10)

・巻次がない場合

−巻次の表示が全く現れない場合は,年月次を代用して記録する。

( )に年月次を重ねる記述文法はNACSIS独自規定である。(途中で巻次が消滅した場合には,巻次変更の扱いを要す) (→ CM 7.2.3 F2.5)


(3) 補遺資料の取扱い − 所蔵をどう書く?

継続受入している雑誌に「特別付録」がついてきた。「特別付録」はたまにしか刊行されないようだ。この場合,この「特別付録」の所蔵は,どのように記入したらよいか? 「#」記号を使って表現してもよいか?

表紙 付録表紙
情報源

別冊・付録等の補遺資料の扱いは,次のようになります。

独自の巻号のある場合 => 別書誌を作成し所蔵登録する

独自の巻号のない場合 => 本体へ注記する

この場合は,刊行の継続性も不確かで独自の巻号を持っていないため,「特別付録」だけで別書誌は作成できません。しがたって,所蔵は本体部分を表す「所蔵巻次(HLV):22(3)」のみ,特別付録については,書誌レコードの注記でその存在を明示することにとどめます。

(書誌レコード例)(所蔵レコード例)
<AN*******3>
GMD: SMD: YEAR:19-- CNTRY:ja TTLL:jpn TXTL:jpn ORGL:
PSTAT:c FREQ:m REGL:r TYPE:p
TR:食品商業||ショクヒン ショウギョウ
VLYR: PUB:東京 : 商業界
PHYS:冊 ; 21cm
NOTE:記述は22館3号(1993)による NOTE:22館3号には「特別付録コンビニ」あり
<CA*******3>
HLYR:1993-1993
HLV:22(3)

以前,別冊・補遺資料の所蔵を表す記号として「#」を使用していた時期もありますが,かえって誤解を生じやすいことから,使用しないこととなりました。

付録補遺資料については,別書誌レコードとしない限り,それ単独の所蔵は表現できませんので,書誌レコードの注記で補足するようにしてください。

関連規則及び関連事例

・HLV(所蔵巻次データ)記入に関する注意事項

−アラビア数字,ハイフン(-),コンマ(,),丸括弧(( ))及びアステリスク(*)以外のデータは記入できない。シャープ(#)は不使用とする。 (→ CM 17.2.2.E1)

・独自の巻号付けを持たない索引・付録・補遺資料についての注記

−本体とは別の独自の巻号付けを持たない索引・付録・補遺資料(別冊・増刊など)について記録する。(→ CM 6.2.7.F3.16 )

・付録・補遺資料の登録

−同一の本タイトルであっても,本体とは別の独自の巻号付けを持つ付録・補遺資料(別冊,増刊など)の場合は,本体と別の新規レコードを作成する。 (→ CM 0.4.3.B4)

−なんらかの逐次刊行物の「別冊」・「増刊」であっても,巻次・年月次を持たないものは所蔵データが記入できませんので,雑誌ファイルではなく,図書ファイルに登録してください。 (→ 抜刷集 「1.2.1 B))

(雑誌目録情報係)