和漢古書に関する取扱い及び解説
(平成14年度第2回図書館情報委員会   承認)

   本取扱いでは、書誌レコード作成上、従来の近現代刊行資料と大きく異なる点を取りまとめた。各事項についての基本的考え方を示すにとどめ、詳細な規則や記述例については、別途作成している「コーディングマニュアル」で規定する。
   また本取扱いは、基本的にはNCR1987改訂2版(以下、NCR87R2)に準拠し、その条項と異なる規則について説明する形式をとっている。

1.適用範囲・書誌レコード作成単位
   原則として、和古書は1868年以前、漢籍は1912年以前のものを和漢古書とする。
   ただし、幕末のもの、清朝末期のものにおいて、近代的印刷技法・出版形態によって大量出版されたものについては、和漢古書扱いとしなくてもよい(版毎に書誌レコードを作成し、その書誌レコードを共有する)。
   また、明治期/民国以降のものであっても、和漢古書としての取扱いが適当と思われる書写資料、少数部数の刊行物などの場合は、和漢古書扱いとする。
   和漢古書は、記述対象資料毎に特有な記述が必要であるため「稀覯本」扱い(「目録情報の基準.第4版」4.2.3)とし、記述対象資料毎に別書誌レコードを作成する。また、その旨を最初の注記として記録する。
            例)  NOTE:  和漢古書につき記述対象資料毎に書誌レコード作成
   和漢古書として登録されたレコードは、原則として一所蔵一書誌であるので、他機関とのレコード調整は行わない。

   和漢古書については、当該記述対象資料のみからでは、書誌レコードの同定識別等の判断が非常に困難である。また、同版毎に書誌レコードを共有できる近現代刊行資料と異なり、同版全体(複数の記述対象資料)に対する妥当な記述を行うことは不可能であるため、記述対象資料毎に書誌レコードを作成することとした。
   和漢古書として取扱ったことを明示するため、その旨を最初のNOTEフィールドに記録する。
   これを適用する範囲について、あらゆる場合について妥当な判断基準を決めることは困難である。よって、適用範囲については原則を示し、但し書き以降の部分で、個々の事例に即した柔軟な対応が可能となるようにした。

(参考)
日本における近代印刷技術の確立は、明治極初期の本木昌造等に求められるが、それ以前、幕末期にはすでに、油性インクを使用した銅版本や活版本の出版が盛んに行われていた。又、中国においては、清朝末期にはすでに近代洋式印刷の一種である石印本が大量に出版されていた。しかしその一方では、旧来からの手法(例えば、版木を用いて少部数ずつ印刷・製本等)そのままの出版も、近代以降の数十年の間、続いていた。こうした、過渡期における新旧の交錯した印刷技法・出版状況に対して現実的に対応することとした。


2.各書誌的事項の情報源
   和漢古書においては、各書誌的事項の情報源として有効である箇所およびその優先順位は、時代により、分野により、更には記述対象資料により異なる。従って、原則としてその資料全体が情報源として検討される必要がある。この原則のもとに、各書誌的事項において比較的有効である情報源は、下記の通りとする。



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