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1 「目録情報の基準」関連
1.0  共通事項
1.0.3 コーディングマニュアルについて


B)コーディングマニュアル和・洋図書新規作成記述規則の刊行(No.53 p.4-7)

 「目録情報の基準運用細則」作成検討部会は,今年度も引き続き,コーディングマニュアルの未刊行部 分の完成のため,原案の作成と審議検討を続けてまいりました。
 このたび,和図書書誌新規作成記述規則のうち未刊であった2.0以下の通則の部分及び 洋図書書 誌新規作成記述規則の記述ブロックのうちTRとEDの部分が,平成7年度第1回総合目録小委員会にお いて了承され,今号の付録として公表できる運びとなりました。
 今回刊行される部分について,以下のような点にご注意ください。

・「部編名」に別個の著者等がある場合の取扱い
 「目録情報の基準 第2版」(「基準」)は,「書誌単位」を「固有の標題,著者等によって書誌的 に他と区別できる単位」と定義しています(→「基準」4.2.3)。そして,「固有の標題でない もの」と書誌単位の関係に触れて,「部編名」に該当する名称で区別されるものは通常は書誌単位では ないが,「部編名」が別個の著者を有する場合については,「部編名」及び固有の著者等によって互い に区別できる単位として,書誌単位であるとしています(→「基準」4.2.3,p.30)。これまでこ の書誌単位の目安となる「著者等」について,それ以上の指針を示したことはありませんでしたが,今 回刊行の「2.0.1 固有の標題」では,以下のように細則を定めています(→2.0.1A3)。  すなわち,「部編名」のもとに別個の著者等がある場合には,「固有の標題」が存在するものとして扱  い,それぞれ書誌レコードを作成するが,

1)複数の著者等による共著(等)の場合は,
a) 同一の役割を果たすそれらの著者等が,「部編名」ごとにすべて異なる場合にのみ別書誌を 作成し,他の「部編名」のもとの著者等と一部でも共通する者がある場合は別書誌としない。
b) その際,著者等の表示や記述の順序や記述された人数が違っていても,別書誌とはしない。
c) 著者等が4以上あって記述を省略するとき,TRフィールドに記録された責任表示の相違によって,著者等が別個であるとは判断しない。
2)役割の異なる著者等がある場合は,役割表示ごとに別個であるかどうかにより判断する。 なお,この細則の設定に際しては,改めてその根拠となる次の点が確認されました。
・目録情報作成上,著作という概念は依然として忽せにできず,「書誌単位」はこれに基づくもの である。
・「固有の標題」でない「部編名」であっても,独自の著者を持つなど著者性が強調されている場 合は「著作」とみなすことができる。
・この場合の著者性には,独立性のみでなく共著性をも考慮する。
 これまで複数著者のあるケースの書誌作成単位については,既成のレコード中にユレが生じていました。 今後新規に書誌を作成する場合は,コーディングマニュアルの規定をご参照ください。

・原本代替資料の書誌レコード上での表現
 これまで複製資料の扱いについては,「基準」(4.2.3(2)-(4))に書誌作成単位について書かれ  ているほかは,随時オンラインシステムニュースレターに掲載し「抜刷集 No.1〜No.46」(p.45-47) にまとめた記事に従って運用されてきましたが,今回ようやく「2.0.4 複製・原本代替資料」と して刊行できることになりました。今後,複製・原本代替資料については,「抜刷集」1.1.4Aに よるのではなく,コーディングマニュアル 2.0.4に従って,書誌レコードを作成してください。
 なお,「2.0.4」では,これまでの取扱いが次のように変更となっています。ご確認ください。 「抜刷集」1.1.4Aのうち,「複製の種類の表示の2」として,私的に作成された原本代替資料 (出版を目的としていない複製資料)についてはEDフィールドに [私家複製版](和資料の場合) 等と 記録する,という規定を設けていましたが,以後,

 a) EDフィールドに [私家複製版] 等の補記はしない(→2.0.4D2)
 b) PUBフィールドに製作者として「私製」と記録する(製作事項のうち製作地,製作年は記    録しない)(→2.0.4D3)
 c) 製作者が異なっても別書誌とはしない(→2.0.4B)
 d) 原本の出版・頒布事項は,PUBフィールドではなく,NOTEフィールドに記録する(→     2.0.4C2,D4)。

  ただし,既に作成された書誌レコードを直ちに修正する必要はありません。

・ルーズリーフ資料の書誌作成単位
 加除式のルーズリーフ資料は図書ファイルに登録します。また一般の図書と(雑誌ととも)異なり, 刊行中にタイトルが変化しても,原則として,新たに書誌レコードは作成せずに,既存のレコードを修 正して,最新状態のタイトルをTRフィールドに記録します。その他の情報も原則として,刊行中に変 更があれば,随時既存のレコードを修正して新しい情報を記録することになります。(→2.0.6B-E)

・ルーズリーフ資料の「出版物理単位」の表現
 ルーズリーフ資料のバインダーの数(また,各バインダーにファイルされる部分の範囲)は,一般の 図書の物理単位とは異なり流動的であることなどから,巻冊とはみなさず,VOLフィールドには記録 しないことになりました。したがって,分冊状況(バインダーの数)が書誌の同定に影響を及ぼすこと はありません。また,その刊行途中の増減によって修正する必要もありません。分冊状態を記録する必 要がある場合は,所蔵レコードに適宜記録することになります(→2.0.6B3),D1.1,F2)。

・「英米目録規則 第二版(AACR2)」との関係
 以前和図書の記述規則を刊行した際,「日本目録規則」とコーディングマニュアル第2章の関係につ いて,コーディングマニュアルでは,目録規則に定められていない部分及び「基準」と目録規則とで扱 いが異なる部分について記載し,目録規則をそのまま適用する事項は原則として記載しないという方針 を述べました。洋図書の記述規則(第4章)も同じ原則にのっとり,AACR2をそのまま適用する事 項については,基本的に記載していません。
 ただし,AACR2はその後改訂を重ね,1988年にそれまでの改訂をまとめて1冊ものとした 1988 Revision, さらにその後の改訂を差替紙片形式にまとめた Amendments 1993が出版されています。 総合目録データベースに書誌レコードを登録する際にはこれらの改訂を踏まえたAACR2の理解が必 要になりますが,現在のところAACR2の日本語訳は1979年改訂に対するいわゆる「日本語版」 が存在するだけで,改訂版の翻訳は刊行されていません。そのため,現実に目録作業現場でこれらの改 訂をフォローアップしていくことは困難な場合も考えられます。
 このような状況に鑑み,「日本語版」以降の内容に関わる改訂(細かい字句や言い回しの変更は含ま ない)については,目録規則をそのまま採用する場合や,直接データ入力に影響がない場合でも,コー ディングマニュアルに記載しようということになりました。AACR2の規則について述べた項目やAACR2の規則の訳文そのものを記載した項目等があり,第2章とは多少異なる形式となっていますが, 以上のような経緯によるものです。
 また,和図書とは扱いが違う,洋図書資料に特徴的と思われる事項(今回刊行の部分では,4.2.2の並列版表示,付加的版表示など)については,注意を促す意味で目録規則をそのまま適用するもの でも記載している場合があります。
 なお,AACR2の該当規則については,文中に示していない場合は,適宜当該文の末尾に「(→AACR2 条項番号)」の形で参照を出しています。


〔関連記事〕1.0.4 目録規則
      1.1.4 A)・複製の扱い
catadm (catadm@nii.ac.jp)